第3回
~道に迷う・日常茶飯事?~
ぼ~~っと歩いていた、
視線は辺りに泳いでいる。
「はぁ…… なんと言うか、圧倒的だね」
呟いて、くるりと回ってみた
見える物は、遠くに見えるジャングルと、しばらく先の切り立った崖。
そして、
件のクレーター
「なのかな? これ本当に……」
視線を落とすと、地面がすり鉢状だった、
クレーター、なのだろう、直径は五キロはくだらないと思う。
山が落ちてきたあと、そんなばかげた話が本当に思えなくも無い、
そんな考えがふとよぎる。
「バカらしい……と言うのは簡単だけど…ね」
もう一度、しばらく前にそうした様に地面に手をついた、
「やっぱりただの土」
熱にさらされた様子も無い、ただの土、
ここがクレータなのではないと言う可能性、
そして、よく見ると、妙に歪なすり鉢状。
「でもなぁ・・・・・・」
かと言って、山が降ってきた、などと言う話を真に受ける気も無い。
「なんなんだ?ここ」
腕を組み、考える……
しばらく考えて、結論は、出ない。
変わりに、なにかが頭をよぎり…… 思い出した。
「あ!! レオンハート!」
そうだった、今日は約束できたんだった、
レオンハートと一緒に、テイルス、と言う人の工房に行く約束だった。
「ガーデンは……洞窟の中だった!」
駅のすぐ右の丘の脇にある洞窟の中、
たしかそこにあるって話だった。
洞窟は……あった
ここを山側に登った所、そこに割と大きな洞窟が口をあけていた、
「あれかな?」
たぶんそうだ、違ったら、別の道を探せば良い、よくやってる事だ。
「あ、まてよ」
半分ほど登ったところで思い立つ、
「レオンハートが大人しく待ってるわけ無い」
きっと先に工房に行ってる。
ええと、丘はどこだ?
ここはクレーター、辺りにあるのは切り立った崖と高い山、
「あ、あれかな?」
たぶんそうだ、来た方向、僕が降りた駅より少し向こう、
それっぽい丘が見える…………
「あれ? じゃぁこれ、ガーデンの入り口じゃないのか?」
首を傾げるが、それは割とどうでも良い、
今は早くしないと、レオンハートにおいてかれる。
「まぁ、誰にでもよくある事!」
そうそう、ちょっと勘違いして、ぜんぜん反対のほうに行くなんて、誰にでもよくある事。
「今は前進あるのみ、だ」
そう言って僕は駆け出した、
頬にあたる海からの風が心地よかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~つづく~~~~~~~~~~~