13話(2) 殲滅


――翌日 深夜 チャオキラー基地――
チャオキラー基地ではチャオキラーとコウルの率いる組織のメンバーが寝ていた。そこに音を立てずにロボット十機ほど入ってきた。ロボットは寝ているチャオ達に銃を向けた。その瞬間、ロボットは次々に倒れていった。ロボットの壊れ方は体の一部に穴が開けられていたり、綺麗に切れていたりしている。

「さぁ、行くぞ。まずは様々な場所に行くための道を確保しなければいけない。とにかく一階入り口付近の殲滅から行おう」
そうノアルが言い、エレベータへ向かおうとする。だが、基地から出ようとした瞬間に増援のロボットが多数姿を現した。ディなどの自分の攻撃で倒せる者を中心に、倒せない者も壁に思い切り叩きつけるなどといった方法でどんどん壊していく。


「さて、兵器はどこにあるのやら」
「…データ入手だけなら制御室に行けばいいはずだが」
「わかってないねぇ。どうせ奪うならデータなんかより実物の方がいいに決まっているのさ!!」
「とにかく奪うのみ。そうだろう?エス」
一階。城に入ってすぐの広い部屋に四人のチャオがいた。エスと呼ばれた黒いニュートラルノーマルチャオ、アクアマリンのニュートラルハシリチャオ、金色のニュートラルヒコウチャオ、そしてアメジストのニュートラルノーマルチャオ。

「ところで、制御室に行けばいいと言ったがどこにあるんだ?ギャラクシー」
「…そこまでは知らん」
「むむ?それよりも先にお客さんを片づけた方がいいかもしれないねぇ。君も聞こえるだろ?ブロウ君」
「…確かに。エレベーターで何者かが下りてくる。それと、真上からガシャンという音も聞こえる」
「仕方がない。とっととやるぞ。まぁお前は無茶するなよ、ワールド」
「わかっているさ。僕の能力じゃ勝ち目はあまりないからね」
その四人はそれぞれ戦闘準備をする。エスは赤いカオスドライブを、アクアマリンのニュートラルハシリチャオのブロウはナイフを、金色のニュートラルヒコウチャオのワールドはユニコーンを、ギャラクシーは何かをキャプチャーした。だが、キャプチャーした物は消える様子はなく、三人はそれをしまう。これは、無限キャプチャーと呼ばれる物で、人間が協力しない限りやることは難しい技だ。

「…!お前らは…!!」
「…ギャラクシー…?」
「最強の四人…。やはり生き残っていたか」
エレベーターのドアが開き、ノアル達と四人は目が合う。その中のウェルクとコウルがアメジストのニュートラルノーマルチャオ、つまりギャラクシーの存在に驚いている。それもそのはず、ギャラクシーはコウルの組織に入っており、さらに指定された所に集合しなかったため消息不明だったからだ。それと同時に伝説好きのブレイブもぼそりと呟く。伝説とも呼ばれるほどのチャオならば、生き残っていても当然だろう。だが、そう呟いているブレイブ自身も本来ならば期限が過ぎていて会うはずがない者に会ったため、多少動揺している。

「どうしてこんなところにチャオが。それも最強と呼ばれるほどの。…そんなことはどうでもいい。貴様らの目的を言え。もし貴様らの目的が我々の妨げになるのならば容赦はしないぞ」
「目的…?なんのことなのかさっぱりだね。だって僕達はやっとこさ1万ポイントためて、なんとか生き残った。それが目的だったんだからね。そうだろう?エス」
「とぼけても無駄だ。締め切りが過ぎてから時間が経ち、深夜になっている今頃にこっそりと現れる…。お前らの目的は例の兵器だな?」
ノアルの質問にワールドが答えたのだが、ノアルは本当の目的のことをずばり指摘した。それに四人は図星というようにポヨを「!」にさせた。

「最強と呼ばれてもチャオはチャオだな。貴様らの目当てが例の兵器とわかった以上、俺はお前らを倒させてもらう。…兵器を使わせない。それが俺の親友の意志なのだからな」
「そうですね。私も手伝いますよ。兵器が関係するなら絶対に阻止しなければいけませんからね」
「助かる。…他の者はこのフロア内のロボットを一掃していてくれ」
そう言い、ノアルとコウルは四人の前に立つ。他の者は言われたとおりに散っていった。ノアルとコウルが歩いていき、二人と四人の距離は縮まっていく。そして、全員一斉に相手に向かってかけだした。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第166号
ページ番号
31 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日