12話(2) 準備完了

「まず、エイチさん。そちら側からは何かありますか?」
「リーダーは、少なくともロボットと戦うメンバーだけは決めておいた方がいい。と言っていた。…それ以外の情報は全く知らないんで」
「それじゃあ、ちょっとロボットの資料を……。なんですかこれは」
「資料の内容に関しては、間違いはないと断言できる。と、リーダーは言っていた。…何を根拠にしているかは知らないけどな」
と、エイチが何故か自信ありげに言う。コウルは黙って資料を見ている。見終えた後、ため息をついた。コウルからは絶望を感じさせるような感じが漂っていた。

「無理ですね。勝てませんよ、これは」
「どうしてだ?少なくとも師匠なら…」
「GUNのを改造したロボットを壊せるわけないでしょう」
「GUNだってえええぇぇ!?」
GUN…様々なメカを持つ軍事組織。メカの種類も多く、大きく分けても六種類のロボットがある。
どうやらこの国はどうやってかは知らないが、そのGUNのメカのデータを入手したようだ。

「さぁ、どうしましょう。無論、勝ち目がない者は全員待機ということにしますが」
「俺の能力では無理だろう。結局素手で戦うことになるからな。…ディなら…」
「確かに、ディ君なら大丈夫かもしれません。一応言いますが、今回必要なのは圧倒的な破壊力…」
スラッシュが呟いたことを聞き、コウルが答える。おそらく、ディはコウルの中では圧倒的な破壊力を持つのだろう。

「もう一つある。こいつのようにカオスドライブを利用した武器だ」
そう言ってエイチが柄にカオスドライブを入れ、カオスドライブの力を利用して作られた刃を見せる。だが、そんな物を持っているわけがない。それをウェルクが指摘すると、エイチはそれなら、と何かを取り出した。

「こいつは、この武器のナイフタイプの物だ。大急ぎで作ったため、何か不具合があるかもしれないが、剣を使えるやつがいるなら使うといい」
「誰かいましたっけ?剣使える人」
「あいつはどうだ?両剣持ってたやつ」
「ラックは両剣しか使えないらしいです」
「いないんじゃねぇのか」
「いや、いる」
スラッシュとコウルが諦めかけた時にウェルクが思い出したかのようにぽつりと呟いた。

「俺が連れてきた…アイとかいうやつだ。あいつの武器もナイフっぽい形だったぞ」
「決まりですね。ディ、エイチ、アイの三名は明日の夜にロボット殲滅してもらいましょう」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第165号
ページ番号
28 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日