12話 準備完了

「さて、もうそろそろ時間だな」
「まだ来てないのはギャラクシー君だけですね」
「……時間だな。とっとと次の指示をしてくれ」
「まあ、そう慌てないでくださいウェルク。指示は一番最後に話しますから」
そう言って、コウルは立ち上がる。今、彼らがいるのは城の前にある森に作られた穴。そこは、人間の大人でも入れそうなほど広く、どうやらコウル達が作ったらしいがいつ頃、なんの目的で作られたかまではわからない。

「まず、もうチャオキラーを狙う必要はないです。相手もこっちを狙ってこないですし」
「どういうことだ?少なくともあと2日…48時間は狙ってくるはずなんだがな」
「ウェルクの言うとおり、普通ならばチャオキラーに狙われます」
「何かが普通じゃないってことか?」
「はい。その関係が普通じゃなくなりました。チャオキラーと我らは同盟関係にありますから」
それを聞いたチャオ達は、一斉に目を丸くした。ポヨが「!」になっているチャオまでいる。勿論、それを知っていたディとスラッシュはそうならなかったのだが。

「それで、とりあえず今のところは待機しておいてください。チャオキラーが色々なデータを持ってきてくれるまで」
「ふむ、それじゃあ買い物に…」
「駄目です」
「は!?」
買い物に行こうとウェルクが立ち上がった瞬間にコウルが釘を刺す。あくまで待機ということらしい。ウェルクは何か呟きながら座った。

「今減られても困ります。外で何があるかわからないですし」
「増やせるわけでもないからな」
「お、お前は…!!」
「久し振りだな、ウェルク。少しは強くなったのか?」
入ってきたのはチャオキラーNo.1のノアル。後ろには青いニュートラルノーマルチャオのエイチがいた。

「まぁ、コウルが師匠じゃあろくに強くはなっていないだろうな」
「なんだと!?このやr…」
「冗談だ。まぁ、それはともかく…。資料を持ってきた。ロボットについて、計画について、そして…アウルのことだ」
「アウル…?なんで彼のことを…」
「俺の勘が当たっていれば、あいつはおそらくコレにも関係していると言ってもいい存在だからな」
「ところで、その後ろにいる方は…」
「こいつはエイチだ。まぁ、助っ人だと思ってくれ」
そう言うとノアルは帰っていった。コウル達は自分達の名前をエイチに教えた。エイチはディとアイの名前を聞いた時だけ表情を変えた。だが、ディとアイはエイチのことを知ってるようではなかった。

「とりあえず、この資料を使いながら作戦会議でもしたいので、参加したい人は奥に。あ、ウェルクは強制参加です」
「がはぁぁ!!…ウググ。師匠の言うことなら仕方があるまい…」
「ほいじゃ、俺も行こうかね」
「まぁ、俺は一応チャオキラーだしな」
どうやら参加するのはコウル、ウェルク、スラッシュ、エイチのようだ。それ以外は全員寝ようとしていたり、木の実を取り出している。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第165号
ページ番号
27 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日