9話 命令

「こっからどーするよ?俺は別に意見はねーけど」
「さっき、新しい地図を買ってきた。これを元に調査エリアを分担するのはどうだ?」
銀色のニュートラルチカラチャオは紫色のダークチカラチャオに言う。そのチャオはそれでいいかと全員に問い掛けると、全員いいと思うという発言、もしくは頷くといった行動を見せた。

「俺は一人でいい。そうだな、ここから遠くのエリアでいいぞ」
「ほんじゃ、僕も遠くのエリアで途中までウェルクと一緒に行動するかなぁ」
「そんじゃ、あんたらはそこへ行ってくれ」
ウェルクと呼ばれた銀色のニュートラルチカラチャオと、アスと呼ばれた緑のニュートラルヒコウチャオは頷き、決まった場所へと走りだす。

「俺はここらを一人でやる。貴様らは二人で残りをやっていろ」
アメジストのニュートラルノーマルチャオはオレンジ色のヒーローノーマルチャオと、紫色のダークチカラチャオに言う。二人は頷いて決められた場所へと行った。

「しっかし、おっかないやつだ。あのギャラクシー…だっけか」
「え?そうですか?」
紫色のダークチカラチャオの台詞にオレンジ色のヒーローノーマルチャオは目を丸くして言う。

「なんつうか、殺気っていうかー…そういうの感じたぞ。あの、チャオキラーってやつもそうなんだろうなぁ」
「殺気…ってどう感じて、どう判断するんですかねぇ?」
「…勘だろ。たぶん…」
紫色のダークチカラチャオは曖昧な返事をする。オレンジ色のヒーローノーマルチャオはそういえば、勘当たらないしなぁ。と思ったりもしていた。


「奥の方って、どうやって行く?たぶん、城を通るのは危険だと思うけどなぁ」
「かまわん。最短ルートで行った方がいいだろう」
「そうは言っても、チャオキラーとかに囲まれちゃうんじゃないのかなぁ」
「囲まれてもお前の能力で吹き飛ばせ」
ウェルクとアスは、最短ルートの城を通る方法に決め、城に向かって走る。目的地は城を通っても、三日はする距離だった。


「さて、ディ君にスラッシュ君。まずは買い物に行きましょう」
「おいおい、買い物ってなんでだよ。修行が先でしょ。修行が」
「僕は行くー」
「とにかくスラッシュ君も来てください。お金はこっちで払いますから」
「お?気が利くねぇ。それなら行こうかな」
「お金の問題なんだ…」
場所は変わり、洞窟。コウルは何故か買い物に二人を誘った。ディは喜んで飛び跳ねているが、スラッシュは行きたくないらしく、嫌そうな声で言う。コウルがこちらで払うと言ったのでスラッシュは行く事にしたが、それを聞いたディが目を細めて呟いた。それをなんとか聞き取れたスラッシュは「ばか、そんなわけねぇーよ」と言い返した。そして、ここまで来た道をたどって街へ戻る。デパートに入り、コウルは一旦二人の方を見た。

「それでは、小動物のコーナーから行きましょう」
と言い、三人は小動物のコーナーへ行く。一通り見回ってから、コウルは話し始める。スラッシュはディがいないことに気付いたが、コウルが話し始めたのでそのことを黙っていた。というより、コウルも気付いているだろうと思っていた。

「スラッシュ君の能力を活かすには、フクロウは必要不可欠ですね。暗いところでも実力を出せないと。このように、どんな状況でも対応できるようにすることが重要です」
「ところで、ディはどこよ」
「UFOキャッチャーで遊んでますよ。ほら」
「あ、遊んでていいのかよ。ほんじゃ俺も…」
「さぁ、君はとっとと買い物をすませなさい」
コウルはスラッシュを押す。スラッシュは動かないように力を入れたが、どうしても力負けしてしまっている。コウルの押す力の強さに少々驚きつつ、スラッシュは仕方が無く買い物をすますことにした。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第153号
ページ番号
18 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日