7話(2) チャオキラー
「久しぶりだね。ディ君、スラッシュ君」
「おぉぉっ!?師匠か!!」
「なぁ、君達は青い腕輪をしたチャオを見なかったかい?」
「あぁ、見たよ。なぁ、ディ?」
「うん」
「それなら話は早い。ちょっと付いてきてください」
そう言うと、ライトカオスと銀色のニュートラルチカラチャオは歩き出す。その後ろを二人が付いていくこと30分ほど。四人は洞穴に行き着いた。洞穴は森の中にあるため、そこへの道のりはかなり複雑で、運で見つかるようなものではなさそうだ。まるで子供が見つける秘密基地のようだった。
「入り口は多少土で埋めたから多少狭くなっています。ほとんどチャオ一人ギリギリ入れるぐらいだからゆっくりと入ってください」
ディとスラッシュは言われるままに、慎重に入っていく。そして、中に入ると入り口とは対照的にかなり広くなっていた。そこには、4人のチャオがいた。そして、ライトカオスは一番奥にある岩に登った。ライトカオスは全員を見下ろし、咳払いを一度してから言った。
「さて、能力を持つ皆さん。これから、リーダーである私の指示にある期間まで従ってもらいます。その期間が過ぎたら一定の場所に集まり、次の指示をしますが、それは後にしましょう」
そこまで言い終えると、ふぅっとため息を一度。そして、再び喋り出す。
「まず、この後に言う例外の者以外は次の3つのことをしてもらいます。まず、一つ目は能力を持つ者を仲間にする。二つ目、水色の腕輪をしているチャオ、つまりチャオキラーを見かけたら戦い、能力や癖などの情報を入手すること。三つ目、ロボが現れた時は速攻で破壊をしてチャオを保護すること。二つ目についてですが、別に倒さなくても情報さえ手に入れば十分です。なので、自分の身を最優先にすることです。集合は王が出した期間終了の2日前。場所は以前に作った城前の隠し穴です。それでは、ディ、スラッシュ以外の者は作戦実行です」
そう言うと、ディとスラッシュ以外の者はどんどん出て行き、洞穴にはその二人とライトカオスが残った。
「さて、それでは正六角形のことを説明しましょう。これのそれぞれの頂点には一番上から時計回りに精神、強打、連打、速度、回避、守備と書かれているわけですが、これらはそれぞれ能力の効果を大まかに示すものです」
「え~っと、つまり強打は威力とかっつうことか?」
「はい。精神は最大限まで引き出すのにどれだけ集中しなければいけないか。強化は威力、連打は連打力、速度は能力の発動速度、回避は攻撃時にどれほど回避できるか、守備はそれをどれくらい守備に使えるか、という感じで、それぞれS~Eまでに分かれます」
「んで、それが何の役に立つんだ…?」
スラッシュのポヨが「?」になる。ディはそれにつられて一瞬遅れつつもポヨを「?」にしていた。
「能力で足りない部分を身体能力で補うための参考にする。と言うところですね」
「で、簡単に紹介しましょう。スラッシュ君の透明化は精神~守備という順でA,E,E,A,S,E。ディ君の鉄球は同じ順でS,S,C,A,E,E。ですね」
「つまり、俺はとにかく攻撃力を鍛えろ。って言いたいわけ?」
「えぇ。チャオキラーと戦っても無事でいた君達なら、鍛えればNo1のチャオでも倒せるかもしれませんからね」
スラッシュは、ライトカオスがNo1のチャオと言う時に僅かだが口調が遅く、暗くなったので不思議に思ったが、気のせいだろうと思った。
「あ、そうそう。私の名前はコウル。よろしく」
こうして、チャオキラーとコウル率いる無名の集団との戦いは始まったのであった。