7話 チャオキラー

カラテの世界 7話 チャオキラー

城の四階。そこをある集団が占領していた。その集団の名前は「チャオキラー」。王にその実力を認められた者達の集団だ。今、そこには三人のチャオがいる。一人は、積み重ねられたガラクタの山の頂上に座って真っ赤な笛で哀しげな曲を吹いているダークカオス。そして、いつでも出動できるように荷物の整理をしているダークノーマルチャオ、もう一人は刀を磨いているダークチカラチャオだ。

「リーダー。その曲、なんていう名前なんだ?」
ダークノーマルチャオの質問に、リーダーと呼ばれたダークカオスは丁度良い所で演奏をやめてその質問に答えた。
「名前は知らない。…俺の友人がよく吹いていた曲だ」
「へぇ、そうかい」
数秒、二人は黙る。その時、エレベーターがこの階に着いたのか、「チンッ」という音が響いた。そして、周囲の壁と同じ色なため存在感のない自動ドアが開くと同時にダークカオス目掛けて鎌が飛んでくる。ダークノーマルチャオは素早く赤いカオスドライブをキャプチャーする。すると、右手が銃口のような形になり、そこから赤い弾が出てきた。その弾は鎌に当たり、鎌の軌道をずらした。

「ククク、No5のくせになかなかやるな」
「フェルスは右腕が銃になるように改造されているからな。お前の地位も危ないぞ。クロウ」
「それはない。俺は能力を封印できる上に鎌もあるのだからな…」
「確かにそうだが、お前の鎌は今、どこにある?そういう時のために隠し持てる短剣でも持っていた方がいい。まぁ、フェルスの弾を避けきれるのを前提にすると、だがな」
「あぁ、そうだな。気を付ける。それから、フェルス。俺とやる気なら先にラ・ダ一家のクオスとディアンを倒すことだな、ククク」
「ん~?僕を倒すなんてできるのかな~?」
ガラクタの山の陰からディアンが出てくる。さきほどまで寝ていたようで、少しよろよろしている。この状態ならフェルスでも倒せるだろうとダークカオスとクロウは思った。

「さて、残りはクオスと0(れい)のみか」
「どうやら俺達が最後らしいな」
「こいつら、新入り」
と言う白いヒーローノーマルチャオの後ろには、赤のニュートラルハシリチャオと緑のニュートラルハシリチャオいた。二人は瞬きもせず、その目はまるで生きている者の目とは思えなかった。

「不気味な奴はお前だけで十分だったのだがな。0」
「ご心配なく。強くするためにいろいろとしたのでまだ意識がないだけです。普通の状態ならば元気いっぱいですよ」
「そんなことはどうでもいい。さっさとやることを言え」
0が説明し終えると同時に、凄いスピードでガラクタの山を登ったクオスがダークカオスの目の前で言う。すると、数名が何かをキャプチャーした音がした。クロウが鎌を持ち、ガラクタの山に近づきながら言う。
「クオス、リーダーにそんな態度をしていいと思っているのか?」
「クロウ、ディアン、フェルスやめておけ。態度はどうでもいい。重要なのは、俺が出す命令を実行すればいいだけだ」
と、リーダーであるダークカオスが言う。すると、クロウやディアンは武器をしまい、フェルスも銃口になっている右手を降ろした。

「さて、今から皆にやってもらうことは今までと同じだ。だが、二つほど追加することがある。よく聞け」
ダークカオスはそこで話を中断し、全員の顔を見渡す。その間5秒ほど。
「俺らのような、能力を持った者の捕獲だ。それが一つ目だ」
「捕獲する奴の条件は何だ?」
クロウが手を挙げながら質問する。ダークカオスは、クロウの質問が終了したのとほぼ同時に答えを言う。
「条件は、能力を持っているのみだ。身体能力等は改造すればどうにでもなる」
そして、ダークカオスはさきほどと同じように全員を見渡す。他に質問をする者がいないか確認しているのだった。手を挙げている者はいなかった。

「二つ目。能力の使用は最小限に抑える事。生き残りが出てしまった場合、そいつやそいつの仲間と戦う時に不利になるからな。それと、これからどんどん出撃されるロボットはチャオならば俺達でも攻撃してくる。そこらへん、注意しろ。以上、質問がなければ解散する。……いないな。解散だ」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第144号
ページ番号
14 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日