3話(2) 異常と平常

最初に森の中で二人のチャオが戦っている場面が映っていた。一人はニュートラルチカラチャオで、そのチャオを指さしながら、こちらのチャオを見ていてください。とライトカオスが言う。もう一人のチャオはナイフを持っていた。そして、ナイフを持ったチャオが走り、ニュートラルチカラチャオに斬りかかるが、ニュートラルチカラチャオはそれを避け、ナイフを両手で掴んだ。すると、ナイフと手が光り出した。光が弱まると、ニュートラルチカラチャオは鉄のような色になっていた。そして、ライトカオスはそこでビデオを止めた。

「今のが、吸収キャプチャーの一例です。吸収キャプチャーは、小動物以外の物質を決められた範囲で一時的にキャプチャーできます。勿論、チャオによってキャプチャーできるものは変わりますが」
そして、ビデオを再生する。しばらくすると、画面が切り替わり、今度は山の山頂で、いるチャオはヒーローハシリチャオと、その一人を敵としている様子の数十名のダークチャオ達。数十名のダークチャオはヒーローハシリチャオを囲み、一斉に襲いかかった。すると、ヒーローハシリチャオは赤いカオスドライブを取り出し、キャプチャーした。すると、右の腕が赤く輝き出した。その腕で前方にパンチすると、腕から赤い光のようなものが直線上に飛び、ダークチャオ達を吹き飛ばした。すると、またもやライトカオスがビデオを停止し、説明を始める。

「今のは、放出キャプチャー。体の一部にキャプチャーした物の力を集中させ、それで攻撃力を高めたりすることができます。ただし、効果が一時的だったり一発限りなどとなります」
そして、また再生させる。今度は森で、ダークハシリチャオが100体ほどのチャオに上空も含め、囲まれていた。しかし、ダークハシリチャオは全く動じず、赤いカオスドライブを取り出す。キャプチャーすると、頭の形やラインの色が変わり、そして一気にチャオ達を木などに叩きつけていった。またもやライトカオスはビデオを停止させる。

「これが、特殊キャプチャー。このように、一個で何個もの物をキャプチャーするのと同等の効果を得られたりするなどの能力です。また、手に触れずにキャプチャーするなどの能力を持つ場合もあります」
そして、次の場面。今度は鎌を持った黒いニュートラルハシリチャオと、さきほどのヒーローハシリチャオだ。ヒーローハシリチャオは赤いカオスドライブをキャプチャーし、さきほどの技をしようとするが、黒いニュートラルハシリチャオがヒーローハシリチャオを両手でタッチした瞬間に、腕の光が消えた。そして、ヒーローハシリチャオに向けて鎌が振り下ろされた。

「今のが消滅キャプチャー。今のチャオの場合は、相手のキャプチャー能力を一時的に無効にさせてしまったりします。また、説明していませんでしたが、複数の能力を備えている場合もあります。今のチャオはチャオを対象とした吸収キャプチャーもあるのです」


「でよ、どうやったらどの部類の能力を備えているかわかるんだ?」
「それはですね、みなさんの頭の上にあるポヨを使って調べるのです」
「こ、これでか?」
スラッシュが、目を上に向けながら言う。ディも同じようなことをしている。ライトカオスは、液体が入った注射器を取り出した。そして、それを二人のポヨに刺した。

「これで、しばらくすればポヨの色が変わります。変わらなかったら素質がないわけですが、それで判断するのです。あ、変色しても数時間で元に戻るのでご安心を」
しばらくすると、スラッシュのポヨは赤く輝き、ディのポヨは青と黄色が中心部で混ざり合うように渦を巻いていた。ライトカオスは、赤は吸収キャプチャーだと言い、そして、青は放出キャプチャー、黄色は特殊キャプチャーだと言った。よって、スラッシュは吸収キャプチャーで、ディは放出、特殊キャプチャーである。

「んで、これからどうすればいいんだ?」
「そしたらすぐに寝るんだ。夢が自分の能力を教えてくれる」
「…どういう薬なんだ」
「とにかく寝なさい。睡眠薬大量に飲ませますよ?」
「遠慮しておきます。おやすみなさい」
「おやすみぃ~」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第136号
ページ番号
6 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日