3話(1) 異常と平常

「ふあぁぁぁ。あ、おはよ~」
「おぅ」
「んで、なんでこんな道ばたで僕たちは寝てたの?」
「ラ・ダ・クオスに負けたんだろーが」
「あぁ、そうだったね。で、これからどうする?」
「アイツといい、お前といい、何か不思議な能力があるようだな。というわけで図書館でそれについての資料を探す」
「あいよぉ~」



「で、どのへん探せば見つかるかな?」
「知らん」
「知らんって…」
「とにかく探せ」
「でもさぁ、元々人間の使う所だから低い段しか探せないじゃん」
「あ…」
「何を探しているんだい?」
ディとスラッシュが図書館で話し合っていると、背後から声がした。振り返るとそこにはライトカオスがいた。そして、スラッシュは事情を一通り話した。

「なら、僕の家に来ると良い」
「え?」
「教えてあげるよ。この国のチャオの異常さをね」
二人は言われるままにライトカオスに付いていく。しばらくすると、家のような所に着いた。ライトカオスはドアを開け、二人を入れた。入ってすぐの広い部屋にはほとんど物が置かれていなく、置いてあるのはチャオにしては大きめのホワイトボードのみ。そのホワイトボードには、正六角形が書かれており、それぞれの頂点には一番上から時計回りに精神、強打、連打、速度、回避、守備と書かれていた。そして、ライトカオスが座ると、二人も座り、スラッシュから話し始めた。

「で、なんなんだ?この国のチャオが異常?」
「そう。異常なんだ。それをまず説明しよう」

「まず、この国では数年前からこのようなチャオ同士が戦うようになったんだ。しかし、1万ポイントも稼ぐのは難しい。そこで、この国のチャオの一部は身近な能力を発展、強化してさらに強くなったんだ。環境に合わせた進化というところかな。それがその特殊な能力だ。今のところ10分の1ぐらいのチャオがその能力を使える。もしくは体内に秘めている。他の国にもこの特殊な能力を持つチャオはいるけど、10万分の1くらいだろうね」
「んでよ、特殊な能力の正体はどんなのなんだ?」
スラッシュが話の途中で、質問する。ライトカオスは、それを今から言おうとしていたところですよ。と言うと、話を再開する。

「その特殊な能力はキャプチャー能力が発展したものです。また、それは複数の種類があり、大きく分けて吸収キャプチャー、放出キャプチャー、追加キャプチャー、そして消滅キャプチャーの四種類があります。さて、それぞれの能力の特徴ですが…ビデオを見てもらった方がいいでしょう」
と、奥の部屋に入っていき、しばらくしてテレビを持ってきた。そして、ビデオをビデオレコーダーに入れ、再生し始めた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第136号
ページ番号
5 / 37
この作品について
タイトル
カラテの世界
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第134号
最終掲載
週刊チャオ第169号
連載期間
約8ヵ月3日