第2話

鐘の鳴る日まで・第2話『点と線の攻防』

4匹は、街を発った。
今は滅亡寸前の小国、国境に辿り着くのは容易であった。

そこで、彼らが見たのは――――


敗走する公国、進撃する帝国。


マルト「へっ、アホ大公めが。」

そう吐き捨てると、東へ進み続けた。
ここから先は、帝国領。何があるかは分からない。

メシア「ところでさー、どれだけクリルまではある訳?」
クルス「地図、地図・・・っと。」

クルス、デカイ地図を広げる。
スーリヤ「・・・飛びながら見た方が良さそうね。」
マルト「ああ、デカイぜ・・・」

大陸。

帝国が東半分を完全に制圧。
その隣にポツンと公国、その西には帝国と互角の戦いをしでかした王国がある。
もっとも、互角には戦ったが、負けた。
さらにその王国の近くには強国が立ち並ぶが、帝国の前には無力である。
そのせいで、強国同士が対帝国同盟を結び、公国は孤立。

スーリヤ「で、クリルは・・・・ええっ!?東の海に繋がる港町???」
クルス「ホントに昔のお偉いさんはここまで遠征したのかい?」
マルト「あの狂気の大公が喋る事が本当ならば、な。」


???「狂気の大公、か。貴様等には、味方も敵もないんかい?」

メシア「誰?」
???「既に情報は入ってるんだよ。クリルに乗り込み、首都をブッ壊すつもりだろ?
    帝国のチャオとして、止めなければいけないのは当然だろ?」
スーリヤ「(ねえ、どこで噂が違ったのかしら?)」
マルト「(本当の計画がバレルよかマシだろ、)ああそうだ、そいつぁ戦わなきゃいけねえなあ。」
???「で、あろうな・・・勝負だ!」
クルス「1対4かい、へっ、なかなかの根性だな・・・」

5匹一斉に剣を抜き、戦闘開始。

だが敵はスピード・パワーともに4匹を遥かに凌ぎ、ほぼ互角であった。
???「ほぉ・・・、その腕でクリルを落とす気?」
メシア「この腕で、もし落ちたならどうするの?」
???「それはないであろう。この私より強い連中もクリルにはたくさんいる。
    それが皆で貴様等にかかってきたら、どうかな?」
マルト「ほぉ・・・」
クルス「スキありっ!」

クルスが一気に襲うが、読まれている。弾かれて、仕切り直し。

???「甘いな・・・。」

その後もお互い剣で切り結ぶが、一向に決着はつかない。

10分かその程度戦った後、突然敵が身を引き、

???「今日はこの辺りで退く。こんなところで命を失いたくはないからな。
    おっと、我が名はクリルの四天王、カペラなり。」
カペラと名乗った男はそう言うと、立ち去った・・・。

スーリヤ「一体何なんだったの?奴。」
クルス「さあ、それよか『四天王』という事は・・・?」
メシア「でしょうねぇ。」

旅はまだまだ、ひたすら東へ・・・・

            続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第2号
ページ番号
2 / 7
この作品について
タイトル
鐘の鳴る日まで
作者
ホップスター
初回掲載
祝!復刊!週刊チャオ第1号
最終掲載
週刊チャオ第12号
連載期間
約2ヵ月19日