24話 異常な能力
???はクレイにゆっくり近づいていった。
???「おい」
クレイはその声が聞こえるやいなや杖を振り上げてワープしようとした。が・・・・・・
クレイ「・・・・・・!?」
???「無駄だ。お前の知らない内にこの辺り一帯に強力な空間魔法を張った。瞬間移動の類は使えない。」
クレイ「・・・・・・・・・誰?」
シス「・・・・・・どうせ殺すから教えてやろう。私の名はシス。スターダスト暗殺部隊長だ。」
クレイ「ふーん・・・暗殺部隊だかなんだか知らないけど・・・僕には関係ないよ。」
そう言って、クレイはくるりと後ろを向き、走り出した。
しかしシスはその場で大きくジャンプし、クレイの目の前に着地した(アニメや漫画でありがちなシーン)
すぐにシスは剣を振り下ろした。クレイはそれを杖で防いだ。
シス「何故逃げる?戦わないのか?」
クレイ「逃げるしか能がないから・・・それに、その方が面白いから・・・」
シス「ふん・・・・・・はあっ!!」
クレイ「うっ!」
クレイは杖ごと弾き飛ばされ、後ろの岩に叩きつけられた。
シス「何故お前が1位なのか疑問を抱く・・・・・・まあいい。賞金首は消す。それだけだ。」
クレイ(・・・・・・くそ・・・)
(・・・・・・・・・・・・オイ、キコエルカ?)
クレイ(え・・・誰・・・?)
(オレハオマエノウチニネムルチカラソノモノダ。)
クレイ(・・・どうすれば、君を解放できる?)
(チョウドソレヲツタエヨウトオモッテイタトコロダ。カンタンサ、ツエヲフリアゲテ、アタマニウカンダコトバヲイエバイイ。)
クレイ「・・・・・・よし。」
クレイは杖を振り上げた。
シス「何をする気か知らんが・・・喰らえ!」
シスは剣を振り下ろそうとした。しかしそれよりも早くクレイは頭の中に浮かんだ言葉を言った。
クレイ「ダークフォース・・・具現化!!」
その瞬間、シスの剣が止まった。
というより、クレイの後ろにチャオの数十倍くらいの大きさの黒い足の無いゴーレムのような物が出てきて剣を指で摘まんで止めていた。
シス「な!?何だコイツは!?」
クレイ「ダークフォース・・・凄い・・・・・・」
ダークフォース「ゴオオオオオオオオオ!!」
ダークフォースはその巨大な腕をシスに振り下ろした。
シス「ぐわああああああああああああ!!」
クレイ「ダークフォース、その位にしといてやってよ」
シスは倒れた。そしてダークフォースはクレイの近くに移動した。
クレイ「なんとなく、だけど分かる。君は僕、僕は君・・・」
ダークフォース「オレハオマエジシンノチカラダカラナ。」
クレイ「ダークフォース、どうすれば戻せる?」
ダークフォース「アア、ソレナラ・・・・・・・・・!?オイ、ウシロ・・・」
クレイ「え・・・」
ザクッ!!
クレイ「あ・・・あ・・・」
シス「はぁ・・・はぁ・・・一度狙った獲物は逃がさない。それが暗部の掟・・・」
シスはクレイを貫いた剣を引き抜いた。
クレイ「・・・・・・・・・」
ドサッ!
ダークフォース「クレイ!チィッ、キエロォ!!」
ダークフォースは思い切りシスを殴り飛ばした。シスはどこかへ吹っ飛んでいった。
ダークフォースは粒子状になってクレイの杖の赤い珠に吸収された。
クレイ「・・・・・・・・・・・・」
ダークフォース(オイ、キコエルカ!シッカリシロ!!)
しかし、クレイは灰色の繭に包まれていった。
ダークフォース(・・・チッ、ココロノコウシンガトダエチマッタ・・・クソ・・・!)
クレイ(もう・・・ダークフォースの声も・・・聞こえない・・・僕・・・死ぬのかな・・・)
しかしその時、頭の中に雷が落ちたような激痛が走った。
クレイ(うわあああああああああああ!!)
その激痛と共に消えかけていた身体が元に戻っていった。
そして、激痛が消えると共に灰色の繭が弾けるように消えた。
クレイの身体の傷は完全に消えていた。
クレイ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
ダークフォース(オイ!キコエルカ!)
クレイ(・・・・・・うん、聞こえるよ。)
ダークフォース(フウ・・・シカシナンナンダ、イマノチカラハ?)
クレイ(力・・・・・・?どういうこと?)
ダークフォース(ナニ?オボエテナイノカ?)
クレイ(僕・・・死にそうになると、何がなんだか分からなくなるんだ。それで、気づいたら傷が完治してて、代わりに・・・記憶が所々無くなるんだ。)
ダークフォース(ソウカ・・・ダガ、ソンナチカラデモオマエハコウシシナケレバナラナイリユウガアルンダロウ?)
クレイ(・・・・・・・・・)
ダークフォース(マアイイ。オマエガドウオモッテイテモ、オレハオマエノミカタダ。イツデモヨビダシテクレ。)
クレイ(うん・・・ありがと・・・)