25話 旅人と5番基地
夜は明け、朝になった。
カイト「それじゃあ、僕達はこれで。」
クルス「また困ったら、来てくださいね♪」
カイト達はレグルスシティを出発し、5番基地のあるリセックシティに向けて西へ向かっていった。
クラント「カイトさん、5番基地って誰がいるんです?」
カイト「対なる奇術師・トリク、スキムがいるんだ。」
ミスト「二人、ですか?」
コルド「ああ、5、6番幹部は一対だからな。」
ラスター「二人で一人ってこと?」
バトロス「そんな所だ。」
ザン「ん?前から誰か来るぞ。」
そのチャオは体色がサファイア色、水色のマントを羽織っている。
???「・・・・・・カイト、だな?」
カイト「あ、ハイ。」
ソル「私はソル。手合わせしないか?」
カイト「・・・はぁ。」
カイトはやる気無さそうに答えた。元々戦いギライでしかも寝起きなので相当やる気が無い。
ソルはその様子を見て、カイトの頭に軽く触れた。
カイト「え?」
さっきまで眠かったのが嘘のように覚めていた。
ソル「それで動けるだろう。始めるぞ。」
ソルは刃が黄色く輝いている剣を取り出した。
カイトは蒼炎を纏い、それを発射した。
カイト「蒼炎波!」
ソル「こんなものか・・・?はっ!」
ソルは剣で蒼炎波を真っ二つにした。その瞬間、斬られた蒼炎波が光の粒子になって、剣に吸収された。
カイト「!?」
ソル「終わりだ。」
ソルは一瞬でカイトの後ろに回りこみ、剣の柄でカイトの首筋を叩いた。するとカイトは倒れた。
コルド「速い・・・!」
ザン「見えなかった・・・」
カイトはクラントに支えて貰って立ち上がった。
カイト「・・・さっきの技は何?」
ソル「さっきのは技ではない。この封剣・ギャラクシーの能力だ。」
カイト「封剣?」
ソル「そうだ、詳しくは分からないが、いくつかの能力がある。今のはその一つ、イレイザードレインだ。」
カイト「へ~え・・・」
ソル「私は行くところがある。先に失礼する。」
そう言ってソルはカイト達が来た方へと歩いていった。
カイト「じゃ、行こっか。」
そしてカイト達はリセックシティに着いた。
着いてすぐに子供チャオのチャオだかりを見つけた。
???「ハイ。右、真ん中、左、どれ?」
子供チャオ「決まってるよ、右だよ。」
???は右のカップを開けた。
???「残念、ハズレだよ。」
子供チャオ「え~、何で、何で?」
???「タネが分からないから驚く。手品の基本だよ。」
どうやら、???が子供チャオ達に手品をやっているようだ。
???「じゃ、今日はこれでお終い。じゃ~ね~。」
???が帰るとチャオだかりは散っていった。
クラント「今のって?」
チャオ「あの子はいつもこの町に来ては子供達に手品をやっているんだ。」
ミスト「へ~。」
コルド「あいつは・・・・・・変わってないな。」
カイト「うん・・・・・・」
ザン「どうかしたのか?」
バトロス「さっきの手品師は・・・・・・スキムだ。」
ラスター「え・・・?」
コルド「スキムは優しい心の持ち主で、カイトにも懐いていたんだが、トリクに促されて、仕方なく戦ったんだ。100年前の戦いではカイトが唯一倒すのをためらった相手なんだ。」
カイト「5番基地に行こう!いやな予感がする・・・!」
そしてカイト達は5番基地に入り、奥に着いた。チャオが一匹座り込んでいる。
カイト「スキム!」
スキムはアクアマリンのヒーローカオス。目が垂れていて、とてもおっとりした目つきである。
スキム「カイトさん・・・?」
カイト「スキム・・・だよね・・・?」
スキム「うん・・・」
さっきは気づかなかったが、スキムはヒーローカオスなのに、影の形がダークカオスである。
スキム「カイトさん達と戦いたくないけど・・・トリクに怒られちゃうから・・・ごめんね・・・」
スキムは悲しそうな目をした後、立ち上がって構えた。