23話 暗部
ライ「・・・・・・・・・という訳で、見失ってしまいました。」
デン「僕達の方も・・・・・・」
クウ「あ~あ、結局捕まらずじまいかぁ~」
クルス「しょうがないですよ♪脱走者の逃げ足が速いだけです♪」
カイト「僕達も探したけど・・・多分、逃げられました。」
クルス「そうですか。とりあえず、今日は遅いですし、うちに泊まっていって下さい♪」
ライ「うちって、クルス様・・・」
キフ「では、私が部屋へ案内致します。」
カイト「ありがとうございます。」
ピルル、ピルル。
クウ「あー、はいはい。わーりやした。」
クルス「また何か仕事はいったんですか?」
クウ「そゆこと。んじゃ、バ~イビ~♪」
ライ「では、我々もこれで。」
クルス「お疲れ様でした~♪まったね~♪」
スターダスト幹部クラスの連中が解散してから、2時間後。
現在夜1時。
路地裏で怪しい二匹のチャオが話している。
マフィアチャオ「おい、後つけられてないよな。」
マフィアチャオ2「おう。んで、例のモンだ。」
そう言い、マフィアチャオ2は何かが入った袋を渡した。
マフィアチャオ「おうし、ずらかるぞ・・・・・・」
???「見ぃちゃった、見ぃちゃった~」
ヒュン・・・・・・
ドサッ!!
マフィアチャオ2は後ろから誰かに切られて倒れた。
マフィアチャオ「だ、誰だ!?」
???「ばっひゅ~ん!」
???のリストバンドから鋭い刃が出てきた。???はマフィアチャオの後ろから首に刃を突きつけた。
???「違法爆薬密輸容疑で始末するぜぇ~い。」
マフィアチャオ「深緑の体色で、角(?)が二本前に垂れてる・・・まさか・・・」
???「しってんのぉ?俺のこと?」
マフィアチャオ「スターダスト暗殺部隊、副隊長か・・・!?」
???「へ~え。俺ってば、裏の世界じゃちょっとした有名人?」
マフィアチャオ「た・・助けてくれ・・・命だけは・・・」
???「んじゃ、取引しようぜ?」
???は写真を3枚取り出した。
???「これ、今一番旬な賞金首なんだけどさあ、何か情報なぁい?」
マフィアチャオ「し・・・知らない・・・本当に知らな・・・」
???「シュバッ♪」
ドサッ!
???「・・・ん?電話か・・・はいは~い」
???2「クウか・・・?」
クウ「おーう、シスひっさしぶり~。最近顔見せないから心配してたぞぉ~」
シス「心配なのはこっちだ。クルス様にばれてないだろうな。」
クウ「大丈夫、そこら辺にはちゃんと気使ってるから。それよりこの三ヶ月、何匹殺った?」
シス「人に物聞くときは自分から言うのがマナーだろ?」
クウ「あ、そっかぁ。え~と、こっちは一山当てたから、172匹だな。そっちは?」
シス「198だ。」
クウ「マジかよ~。同じ暗部でも隊長と副隊長じゃ、格が違うのかねぇ、ほんとに。」
シス「こちらはほぼ休まず狩っているからな。」
クウ「・・・・・・そうだ、賭けしないか?」
シス「賭け・・・?何の?」
クウ「簡単さ。トップ10の賞金首を狩る。10~7位は1ポイント、6~4位は2ポイント、3、2位は3ポイント、1位は5ポイント。次の集会までに稼いだポイントが少ない方がその時の報酬の半分を支払う。どうだ?」
シス「・・・面白い。だが、私の手元には新しいブラックリストが無いのだが。」
クウ「それなら平気。メールで送っとくから。」
シス「そうか。ならやろう。」
プツッ、ツーツー。
クウ「・・・・・・・・・・・・・・・送信完了、と。」
クウはリストを見ている。
クウ「アイツのことだから、一気にポイント稼ごうとはしないだろうな。俺は稼ぐけど。」
クウはリストの一番上を見た。
クウ「こいつ、まだガキなのに、どうして1位なんだ?御上のやることはどうもわかんねえな・・・・・・まあ、弱いに越した事は無いか・・・・・・」
そのころ、クリムゾンシティ(デスフィアやミラージュが登場した町)から数キロ離れた岩場にて。
クレイ「zzz・・・・・・」
(きゃああああああ!!)
クレイ(アルーーーーー!!!)
クレイ「・・・・・・はっ!!」
クレイは汗びっしょりである。
クレイ「まただ・・・・・・また同じ夢だ・・・」
喉がカラカラだったので、近くの池の水を飲んだ。
クレイ(アル・・・・・・僕の妹・・・どうすれば、帰って来るんだろう・・・・・・)
クレイの妹、アルは現在原因不明の昏睡状態なのである。特殊な技術で命は取り留めているが、回復するかは不明である。その技術はアルだけではなく、クレイにも多少の負担が掛かるものである。
その技術とは、クレイとアルの精神の一部をシンクロさせ、アルの身体の活動を停止させないようにするものである。
クレイ(アル・・・・・・絶対助けるから・・・だから、僕を一人ぼっちにしないで・・・・・・)
その様子を遠巻きに眺めているチャオがいる。
???「10位から順に狩るつもりだったが・・・・・・まさかこんな所に[1位]がいるとはな・・・・・・・・・」
???はゆっくりとクレイに近寄っていった。