14話 バイオチャオ・デルタ
カイト達はザンを助けた後、ザンと一緒にへし割れた剣を直していた。
カイト「ザンって結構刀鍛冶もうまいんだね。」
ザン「それほどでもない。拙者は昔、刀鍛冶師の友人がいた。そいつの見よう見まねでやっているだけだ。」
そう言いながらも出来た剣はほとんど壊れる前と変わらなかった。カイトは近くの木で試し切りをしていた。
カイト「ふわ~。すごいや、使い心地も変わらないし!」
ザン「うむ、上々の出来だな。」
クラント「ザンさんはホント器用ですね。」
そして出発しようとした時、一匹のチャオが現れた。
シャドウチャオで青白い首輪をしている。
カイト「君は誰だい?」
デルタ「僕はデルタ。・・・カイト、僕と戦え。」
カイト「・・・・・・・・・」
デルタ「どうした、怖いのかい?」
カイト「違う・・・僕には君と戦う理由が無い。だから・・・」
カイトがそこまで言った時、デルタは急にクラント達に向けてエネルギー弾を放った。
クラント「うわあ!」
カイト「!?」
デルタ「これで戦う理由が出来ただろ?さあ、始めよう。」
カイト「・・・!」
カイトは無言で二、三歩前へ出た。
デルタ「暗き結界。」
デルタを中心に魔法陣のような物が出てきた。
カイト「これは・・・?」
デルタ「心配いらないよ、ただ結界を張っただけだから。君の仲間が邪魔をしないようにね。」
カイト「・・・こっちからの攻撃は?」
デルタ「それも大丈夫。外には出ない。」
カイトは少しだけ笑みを浮かべた。
カイト「それなら・・・思いっきりやってやる。」
双剣を取り出し、構えた。
デルタ「やる気マンマンだね、カイト。でもね・・・サモン・ダーク!」
デルタは両手で地面を叩いた。するとデルタの前に小さな魔法陣が五つでき、そこから一匹ずつチャオが出てきた。ダークノーマルのそれぞれの二次進化チャオである。
デルタ「これが僕の下部。さあ、セルF・R・S・P、カイトを倒せ!」
セルF・R・S・P「ゴポポ・・・ゴアアアア!!!」
結界外。
コルド「まずいぞ・・・1対6とは・・・」
デルタ「1対6?1対5だよ。」
バトロス「デルタ!?」
デルタ「僕は戦わない。見てるだけさ。」
ラスター「どうするんだ・・・」
ミスト「・・・そうだ、クラント。」
クラント「?」
ミスト「あれでカイトさんのお手伝いすればいいんじゃない?」
クラント「そっか、戦えなくても手伝えるね!」
ザン「どういうことだ?」
ミスト「すぐ分かるよ、ザンさん。」
クラント「センサーアイズ!」
クラントの目が黄色に変わった。
バトロス「あれは・・・?」
ラスター「あれはセンサーアイズ。クラントが昔から使えた特別な力であの状態で相手を見ると名前や大まかな能力が分かるんです。」
クラントは相手のチャオを順々に見ていった。
DNFのチャオはセルF。飛行能力が優れている。
DNRのチャオはセルR。スピードが優れている。
DNSのチャオはセルS。魔法能力が優れている。
DNPのチャオはセルP。パワーがある。
そして一番奥のDNNのチャオは・・・
クラント「え・・・?」
ミスト「どうしたの?」
クラント「あれは・・・?」