7話 強制決闘?
カイト達はコルドと共に先に進んでいた。
その途中、違う村に行ってみた。
そこはクラント達の村とそれほど変わらないが子どもと年寄りしかいない。
カイト「あのー、どうして若いチャオがいないんです?」
村チャオ「若い者はみんな捕まって町に連れてかれ、強制労働させられとるんじゃ。」
クラント「ひどい・・・」
村チャオ「でも最近ある若者がきてな、そのチャオはめっぽう強いから村の者はよく世話になっとるよ。」
ミスト「いいチャオなんだ・・・」
なんて言ってると近くの家の屋根が落ちた。
村チャオ2「また崩れてしまったよ。」
村チャオ「そうか・・・また世話になるのう。」
そう言った村チャオはどこかへ行った。数分後、若いチャオが一緒に来た。
村チャオ「すまんのう、ザンさん。また直してくれんか?」
ザン「金も無い拙者をこの村に置いてくれたのはお主らだ。この位軽い恩返しだ。」
ザンは着ていたマントから大工道具を取り出し、慣れた手つきで修理した。
村チャオ2「すまんのう、いつもいつも。」
ザン「礼にはおよばん。またいつでも呼んでくれ。」
そう言ってザンはその場を去ろうとしたが、
ザン「・・・お主、強者だな。」
カイト「え?」
ザン「拙者と手合わせしてみないか?」
カイト「え?え?」
村チャオ「おお、ザンさんの癖がまた出たようじゃな。」
クラント「どういう事です?」
村チャオ「ザンさんは強いチャオを見つけると戦いたがるんじゃ。」
ザン「さあ、行くぞ。」
カイト「え?絵?得?」
カイトは半強制的にザンに連れてかれた。
着いたのは近くに家の無い広場である。
ザン「始めよう。」
ザンは刀を取り出した。
カイト(やるしかないかぁ、ここまで来たら)
カイトは双剣を取り出した。
ザン「いざ、勝負!」
その声と同時にザンは凄いスピードで接近してきた。
カイト「!!」
カイトはなんとか双剣で止めた。
ザン「やはりやるな。拙者の刀を止めるとは。」
カイト「こっちだって凄く速くてびっくりしたよ。」
ザンとカイトは一旦距離をとり、また接近して斬りつけたが、お互い相手の攻撃を弾いた。
ザン「クナイ投げ!」
カイト「車輪刃!」
カイトはザンの投げたクナイを車輪刃で弾いた。
ザン「ならこれはどうだ!斬波(ざんぱ)!」
ザンの刀から真空波が飛んだ。
カイト「く!」
カイトはかわそうとしたが、少し喰らった。
カイト「たあっ!」
ザン「ぐおっ!」
カイトはすぐに近づきザンを斬りつけた。ザンも小さい傷を負った。
ザン「なるほど・・・やはり拙者の目に狂いは無かった!」
カイト「・・・?」
ザン「お主とは本気で戦う価値がある!」
ザンは刀を閉まった。代わりに大工道具の鉈(なた)を二本取り出した。
ザン「行くぞ!!」
カキキキキキキキキキキキキィィィン!!!
カイト「なっ・・・!は、速い!!二本だからか・・・いや、動きが全然違う!!」
ザン「ハァァァァァァ!!!」
ザンは何度も斬りつけた後、距離をとり武器を変えた。今度はチェーンソーを構えて突っ込んできた。
ザン「ずあっ!!」
カイトは何とか止めたが、じょじょに押されていっている。
ザン「くおおおおおおおお!!!はぁ!!!」
バキィィィィィィィン!!!
カイト「うわあ!」
カイトの双剣の内一本がへし折れた。
ザン「うおおおおおおお!!」
ザンはまた鉈二本を取り出し斬りつけてきた。一本剣が無いカイトは防ぎきれず何回も斬られている。
カイト「くぅ・・・!」
ザン「つあっ!!!」
カイトのもう一本の剣が弾かれた。
カイト(し、しまった!)
ザン「ハァッ!!」
ザンは力を入れてカイトを二本の鉈で斬った。
カイト「かっ・・・はっ・・・」
カイトはその場に倒れた。
ザン「やはり強かった・・・拙者も修行が足りないな・・・」
カイト(まだ・・・負けられないんだ・・・あいつを倒すまで・・・!)
カイト「・・・待て!ザン!!」
ザン「・・・なっ!?」
カイトは蒼い炎、蒼炎に包まれて立ち上がった。
カイト「ありがとう・・・また少し昔の僕の力を取り戻せた・・・。」
ザン「クナイ投げ!」
カイト「蒼炎壁!」
カイトの目の前に蒼炎の壁が出来てクナイを打ち消した。
ザン「ほう・・・ならば「忍法・紅蓮」!!」
ザンの鉈に炎が宿った。
ザン「行くぞ!!鉈斬波!!」
ザンは鉈で炎を纏った斬波を放った。
カイト「蒼炎波!!」
カイトの手から蒼炎の弾が放たれた。
蒼炎波は斬波をかき消し、ザンに当たる手前で消えた。
ザン「・・・?」
カイト「ふぅ。大丈夫だった?」
カイトは元に戻った。
ザン「負けた。拙者の完敗だ。」
カイト「そっちも強かったよ。」
カイトはザンを背負ってクラント達の下へ戻っていった。