第二章 三話 【本物】
話終えたギルガは、一息ついた。
ギルガ「さてと。」
マイトは話に驚いたのか、黙っている。
ギルガ「この体にもう、用はない。」
そう、ギルガは、グルースの体をのっとっているのだ。
マイト「んぁ・・。そういえば、その体は他の人のだったんだな。」
すると、海の向こうから、誰かが泳いでくる。
リットだ。
リット「マイト様ーー!そこにおられたのですか!」
ギルガ「ギヒヒ・・・いいところに、この体の仲間が来たか。」
すると、ギルガの体がグキグキと動いている。
見るからに気持ちが悪い。
ギルガ「グヒヒ・・・俺は今まで・・・生命力が足りなくて・・このデブに乗り移っていたが・・・もう回復した。」
すると、また、グキ!グキ!と、大きな音をたてる。
ギルガ「この体に用はない。俺の本当の姿・・・見せてやろう。」
グキグキ・・・グキキキ!!
まさに骨が折れるような音。嫌な音だった。
ギルガの背中に、くぼみができていった。
ギルガ「グゥ・・・グォオオーー!!」
くぼみの中から、あのデカイグルースがでてきた。
そして、グルースはドボン!と水しぶきをたて、海底に沈んでいった。
リット「グ・・・グルースーー!!!」
すると、ギルガは、キリっとした目つきに変わった。
それは、線の青いシャドウチャオのようであり、そうではなかった。
眼の周りに赤い傷のような模様がつき、そして、3本のハズの後頭部の角が、なぜか5本。
真ん中の角の横に、鋭い長い角がはえていたのだ。
ギルガ「フゥ・・・やっとデブが抜けた。スッキリしたぜ・・・。」
リット「貴様・・・よくもグルースを・・・!」
すると、ギルガは空へ飛び上がる。
ギルガ「残念だが、俺、お前らに相手してる暇がない。さっさと宝石集めて、世界を消してもらうのさ!ガーーハハハハ!!」
しばらくして、マイトが立ち上がった。
マイト「そんなことは、絶対にさせない!!!」