第二章 一話 【昔】

ここはどこなんだろう

嗅ぎ慣れた潮風が僕の顔をなでる

懐かしい気がする

なぜか 涙が出てきそうなぐらい






ソイツは、青く、空色に光り、海色のようだ。

輝いたスラっとしたトゲが、潮風にゆられている。

足には、見慣れたシューズ。

海の上に立っているようだ。


マイト「僕は・・・」

・・・・マイト?

マイト「僕は・・・誰なんだ?・・・ここは・・・どこだ・・・」

記憶を失っているように見える。

静かに辺りを見渡していた。周りは海ばかり。

すると、ずっと先に、ピンク色のものがプカプカ浮かんでいる。

マイト「なんだ・・・?あれは・・・」

すると、そのピンクの物体は、ビクビク動いて、口をあける。

???「助け・・・助けて・・・はぁ・・・はぁ・・・」

どうやら、チャオのようだ。

マイト「誰かが・・・溺れている!?助けないと!!」

足のシューズを上手く使いこなして、チャオの方へ向かった。

マイト「・・・海の上を走ってる・・・?なんだ!!このシューズは!???」

すると、いきなりコケた。

???「おい・・・お前・・・助け・・・・・ぁぁ・・・・」

今にも沈みそうなチャオ。必死に足を動かしていると見える。

マイト「俺・・・泳げない・・・どうやって泳ぐのさ・・・」

プカプカとのんびり浮かぶマイト。

???「足・・・そのシューズ使って・・・さっきみたいに・・・海の上走れよ・・・!」

マイト「知らない・・。俺、知らない・・。ごめん。」

すると、マイトが、物を収納していたチャオバックから、虹色のリングがでてきた。

マイト「何コレ・・・あ・・・!」

???「そ、それは・・・マイト様がよくお使いになった・・・ハイパーリ・・・」

すると、マイトはそれを持ち上げた。

マイト「コレ・・・俺知ってる・・・知ってる・・・」

ピンク色のチャオは、状況を把握した。

???「もしや・・・マイト様なのか・・・?・・・はぁ・・・はぁ。」

マイト「コレ・・・お金。お金。キレイ・・・。」

???「え・・・ち、違う。。。それは・・・それは・・・!」

すると、マイトの持っているリングが光った。

???「この光・・・、まさしく、どんな傷も治し、チカラを与える・・・」

すると、光が強くなり、周りが見えなくなった。

???&マイト「ハイパーリング!!!」

二匹は同時に叫んだ。

すると、ピンク色のチャオは空中に浮かんだ。

そして、マイトはまた海の上に立ち、ピンク色のチャオをおぶさった。

マイト「俺・・・なんで生きてんの・・・?」

記憶が戻ったのか、うろたえ始める。

マイト「皆・・・どこだい・・・?天国・・・?」

上を見て、涙がこぼれないようにしている。

マイト「俺だけ・・・おいてかないで・・・くれよぉ・・・」

???「あの・・・もしや、マイト様では・・・?」

すると、マイトはチャオがいたことに気づき、涙をふく。

見ればソイツは自分におぶさっているではないか!

マイト「俺はマイト・・・お前・・・誰!?勝手に人におぶさって・・・」

すると、ピンクチャオはいきなり膝をつき、礼をした。

リット「マイト様・・・!!!会えて光栄です!!僕はリットといいます・・・」

マイト「誰だか知らないけど・・・ここってウォントスターなの?」

リットは深くうなずいた。

マイト「なんでだよ・・・俺、星に陸作って・・・悪消したはずだぜ・・・?」

リット「実は・・・」

そして、リットはマイトに、今までのことを話す。

マイト「・・・・嘘だろ?」

リットは静かに顔を横にふった。

マイト「嘘だろぉーーー!!!うわぁーーーああ!!!」

相当、傷ついたらしく、海の上を暴れながら走り去った。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第195号
ページ番号
9 / 15
この作品について
タイトル
海上の冒険2
作者
水神(ブルーガンツ,アクア)
初回掲載
週刊チャオ第191号
最終掲載
週刊チャオ第198+大晦日号
連載期間
約1ヵ月19日