第一章 第六話 【宝石のバリア】
ギルガ「僕は・・・この宝石で・・・ククク・・・」
ギルガの顔つきが変わった。
リット「何をする気だ・・・!」
すると、ギルガは、虹色の台にはめ込まれた、虹色の宝石を指さした。
ギルガ「リット君、ちょっと、この虹色の宝石、触ってくれないかな?」
リット「な、何を!?私はそんな無礼なことは・・・」
そう、虹色の宝石を無断で触れることは、ウォントスター法律で禁止されている。
ギルガ「ほぉーう、僕に逆らうのか。なるほど。なるほど。」
なんだか、ギルガの顔つき、喋り方、声などが、最初と違う。
リット「貴様の命令など・・誰が聞くものか!!」
すると、ギルガは、手をリットの顔に近づけた。
ギルガ「グガァガ・・・俺様の命令を聞かないと・・・」
息が荒くなっている。まるで野獣のようだ。
ギルガ「貴様は・・・海のチリになるのだぁ・・・グハハァ・・・」
リット「ぐ・・・(そうだ・・・コイツの手に触れりゃあ、溶けちまうんだ・・・くそう・・・今はコイツの命令に従うしか・・・)」
すると、リットはおそるおそる、宝石に手を近づけた。
リット「ゴク・・・」
ギルガ「そうだ。そうだ。そのまま・・・」
リットが宝石に触れようとしたその時、一瞬のウチに、神殿が虹色の光に襲われた。
リット「グッ・・・!?ウァ・・・・アアアア!!」
リットの左手の生気が失われていく。
リット「く・・クソォッ・・・!!!」
急いで宝石に手を放す。手は、生気を失いかけ、感覚がない。
ギルガ「なるほど・・・そういう仕掛けであったか・・・。」
リット「何!?」
ギルガ「生気を吸い取るバリアが仕掛けられている。やたらに触れたら、こりゃいけねぇな・・・」
なんと、ギルガはリットを実験台にしたらしいのだ。
リット「貴様・・・よくもっ・・・」
ギルガ「お?そんな両手使えない状態で、俺様と戦うというのか?」
そう、リットは、右手を溶かされ、そして左手は生気を失っている。
リット「くっ・・・」
ギルガ「さてと、作業を始めるぞぉ・・・グヒャヒャヒャ・・・」