第一章 五話 【液体管理者ギルガ】

リット「行くぞ!」

リットがそう叫ぶと、二匹は静まり返った。

そして、数秒後、二匹は同時に動き出した。

ギルガ「それーっ!!」

ギルガは爪をむき出して飛び掛った。

リット「遅い。」

ギルガ「えっ?」

なんとリットは、ギルガの鋭い爪を、拳で受け止めた。

ギルガ「あれ??刺さってないの?」

爪は刺さるどころか、爪が曲がってきている。

リット「こんな実力でマイト様に勝てるだと?」

ギルガ「ぬぅー・・・」

リット「笑わせるな!!」

リットは、大剣(リットソード)を、ギルガに向かって大きく振り下ろした。

リット「そのフザけた魂など、消えてしまえ!!」

大きな音と共に、ギルガの顔面に大剣がぶつかった。

リット「コレで終わりだ。」

リットは、剣を手前に押した。顔を引き裂くつもりなのだ。

だが、剣が全然動かない。

ギルガ「ンガンガ・・・残念でした♪」

なんと、ギルガはこのドデカイ剣を、口で受け止めた。

リット「バカな・・・」

ギルガ「っプゥ。」

ギルガは剣を吐き出した。

リット「コイツ・・・」

剣を持ち上げると、剣から水がこぼれ落ちている。

リット「み、水!?なぜ剣から水が・・・」

すると、ギルガがニヤニヤ笑い出す。

ギルガ「剣から水が出ているんじゃなくて、剣が水になってるんだよ~♪」

リット「何っ!?」

剣をみると、リットソードは、まるで氷のように溶けてゆく。

ギルガ「ま、こんなデカイ剣だと、液体化するのにも時間がかかるけどね♪」

そして、溶けた剣の水は、海へと流れていった。

リット「先祖代々伝わる俺の家宝が・・・貴様ァー!!」

拳で降りかかると、ギルガは軽々手で受け止めた。

ギルガ「あらあら、また海のかさが増えちゃうよぉ♪」

リット「ぐっ・・・!!!??」

拳の血の気(?)が引いている。

そして拳の感覚がなくなってきた。

リット「て・・・手が・・・。」

手が水となって、神殿から海に流れ落ちていった。

ギルガ「あはは♪」

リット「貴様・・・何者だ・・・!?」

ギルガ「へへ♪僕こそが、ウェーブや、スタラ、そして大波津波を作った張本人。ギルガ・ガルガ様なんだよね♪」

なんと、コイツがウェーブ等を生み出したらしい。

リット「なんだとっ・・・!?そんなこと・・・ありえるわけが・・・」

ギルガ「ソレがありえるんだよぉ♪」

リット「だが、マイト様は、悪が消えるように、虹色の宝石に願ったはずだ!」

そう、マイトは、虹色の宝石に願いを言うとき、

「虹色の宝石よ!!この世に陸を作り、そして悪よ消えろぉおーーーーー!!!」

と叫んだのだ。

なのに、悪が存在しているのは、ありえない。

ギルガ「それがさぁ、虹色の宝石もけっこうしっかりしててさ♪」

リット「は?」

ギルガ「この星の水を管理しているのは、全て、僕なんだ。そう、海もね。だから、僕が消えてしまっり、悪の心が消えてしまったりすると、悪の心のときに覚えた、水の管理のしかたを忘れてしまうんだ。」

リット「ということは・・・虹色の宝石は、お前がいなくなると、水に困ると思って・・・消さなかったのか?」

ギルガはニッコリとうなずいた。

ギルガ「さてと、僕は今から、虹色の宝石で、思い通りのことやっちゃうから♪じゃまじゃま!」

リット「何ッ!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第193号
ページ番号
6 / 15
この作品について
タイトル
海上の冒険2
作者
水神(ブルーガンツ,アクア)
初回掲載
週刊チャオ第191号
最終掲載
週刊チャオ第198+大晦日号
連載期間
約1ヵ月19日