第一章 三話 【金持ちと高波】
ここの話は、二話のはじめ辺りと同じ時間と思ってください。
墓から去ったリット。
リット「グルース・・・・・奴はマイト様のことをなにも知っておらぬな・・・・マイト様がいなければ、グルースは、とっくにコノ世から消えていたはずだ・・・。フッ。」
苦笑いしながら歩いていると、腹が鳴る。
リット「そろそろ正午か・・・。昼食を買ってくるとするか。」
リットは、毎日にぎわう、海が見えるブルーマリン商店街へ向かった。
リングバンクの仲には、ざっと500リング。
リット「いつでもココはにぎやかだ。今日は肉を食うとするか。」
肉を5,6個買い、白い箱にいれた。
そのとき、なんと、いきなりグルースと会ってしまった。
グルース「おぅ?誰かと思えばおチビちゃん。」
リット「フン。私は貴様のように金欠ではないのでな。必要な栄養分はとっている。ロクに金もない者がギャーギャーわめくでない。」
カっとなるグルース。
グルース「なんだとぉ!?フン。俺はさっき高級ステーキ食べたばかりで腹がいっぱいだぜ!」
リットはニヤニヤしながら持っていた白い箱の中を開ける。
中に肉を見せると、グルースはヨダレをたらし、今にも飛びつきそうな勢いだ。
グルース「ぬぉおーーーっ!!?」
グルースはヨダレをたらす。
リット「金も豊富な私だ。肉を買えて当然。お一つどうかい?」
グルースは、鼻息が荒くなり、ドンドンヨダレをたらす。
リット「あ~、君は高級ステーキ食べて腹がいっぱいだったな。では、また今度にしよう。クックックック・・・」
肉を一つ海に投げ捨て、去っていった。
リット「やっぱりあの肉もったいなかったであろうか・・・まぁ、捨てたものはしょうがないか・・・。」
リットは羽を伸ばし、超速で海岸へ飛んでいった。
海岸といっても、グルースが行った海岸は、マリン海岸。リットが行ったのは、星がよく見えることで有名な、スターライト海岸だ。
リットは箱から3つ肉を取り出し、体と違う大きな口で一気に肉を放り込んだ。
リット「んぐんぐ・・・商店街の肉も・・・美味くなってきてるな・・・。」
すると、
リット「!」
リットはピクっと何かを感じ取った。
すると、いきなり剣を構える。
リット「殺気・・・・」
いきなり、ザザァーーーッと高波が立ち向かった!
リット「なっ、波ぃっ!?」
高波は勢いよくリットにおおいかぶさろうとした。
リット「しょうがない・・・リットソード、水型変化!」
すると、リットの剣が水しぶきのような形に変化した。
リット「おぉりゃぁーーーー!!!」
波をドンドン斬っていく。だが、いくら斬っても、不思議な力で、元に戻ってしまった。
リット「なにっ・・・!?何か特別な力で剣術がかき消されている・・・うわ・・・うわぁあーーーー!!」
波に飲み込まれたリットは、そのまま静かにしずんでいった。