第十三話~試験開始!~
巨大なビルに着いたユリカゲ一行。
ビルの一階ホールに入り、少し休憩をとることにした。
「しっかし大きい建物だな~。被り物団は地下って聞いたけど、地上の階はどうなっているんだ?」
「被り物団が地下にあるのは情報が漏洩しないためだ。
他の軍事部の組織も大体が本部が地下にある。
上には表向きに活動してる政治部の本部や資料室などがある。」
そんな話をしているときに、ユリカゲとアスカナの懐の受験票からピー、ピー、ピーと電子音が鳴った。
「わっ!」
「何だ?」
二人が慌てて受験票を取り出すと、中央にあるCHAO-POLICEの紋章から青い光と電子音が出ていた。
「へえ・・・こんなうすっぺらいもんの何処にこんな機能が付いてんだろうなー。良く出来てるぜ、これ。」
「あービックリしたー。何で光ったんだ?」
受験票から出る電子音が、単調なアラームからアナウンスに切り替わった。
「被り物団入団試験受験希望者の皆様にお知らせします。
本日午後三時より受験希望の受付を開始致します。
場所はビジネスヒルズ352−9CHAO-POLICE本部ビル地下二十三階です。
受付は本日午後十一時三十分までとなります。
この時刻を経過した時点で受付は致しません。
いかなる理由がございましても例外はございませんのでご了承ください。」
光とアナウンスが同時に消えた。
「どうする?あと十分で始まるけど。」
「地下二十三階って言ってたよなあ。行ってみるか?」
「いや、まずシラウズとベニマルに合流しよう。」
ユリカゲが携帯を取り出す。
ユリカゲが電話発信しようとした途端、いつの間にか後ろにいたシラウズとベニマルに声をかけられた。
「よお。アナウンス聞いたか?地下二十三階行こうぜ。」
四人はエレベータの前に来た。待っている途中で、ユリカゲがシラウズに訊いた。
「何でアナウンス途切れた途端に現れたんだ?」
「俺の能力のひとつだよ。いったかも知らんが俺の能力は「水」だ。
チャオの体の成分はほとんどが水。それを見分けるのなんざ俺にとっちゃ朝飯前だよ。」
シラウズが自慢げに言う。
エレベータが到着した。待っている間にさらに数人のチャオが来た。
四人のあとに乗り込んだチャオたちは、シラウズが地下二十三階のボタンを押したのを見て立ち止まった。
どうやら全員受験希望者のようだ。
地下二十三階に着く。
ドアが開くと、一階のホールとは打って変わって違う雰囲気になった。
一階は窓がおおく、明るいイメージだったが地下二十三階は床が赤い絨毯で敷き詰められ、天井には豪華なシャンデリアがある。
壁やところどころにおいてある置物や机からも豪華さが感じ取れる。
「・・・受付は・・・っとこっちだな。」
シラウズが方向を変える。
その先には「被り物団入団受験受付」とある看板があった。
角を曲がると大きな部屋に出た。
奥に大きな扉がある。入り口のすぐそばに二人のチャオがいた。
座っている机には「受付」と書いてあり、二台のパソコンが置いてあった。
「ここが受付だな。行ってみるか。」
四人が近づくと、受付のチャオが礼儀正しくお辞儀をし、
「こんにちは。被り物団入団試験受付です。受験票をお預かりいたします。」
受付は四人の受験票を受け取ると、パソコンに挿入し、読み込ませた。
「はい、登録完了いたしました。奥の扉からどうぞ。」
受付のチャオが扉を指した。
四人は扉を開け、奥の部屋へと入っていった。