第十話 ~再出発~
シラウズとベニマルは、二人の苦労をよそにのんびり雑談していた。
「しっかし、大丈夫かな。二人ともぽかんとしたまま
試練受けさせちゃったけど。」
「まあ・・大丈夫だろう・・・あの二人なら、何とかするさ。」
「試練はチャオによってちがう。そのチャオの個性を試す
様になっているが、一口に「個性」といっても様々だ。
タイプ・属性などから趣味・周囲の環境・特技まで含まれる。
どのように試練に表れるかは分からんから厄介なんだ。」
「試練クリアーとなるのは二人で早くてあと二分・・・てとこか。
さて・・・どうなることやら・・・・」
ベニマルは大きくため息をつく。
「あん?どうした?さっきといってること違うがぁ?」
シラウズがにやけながらベニマルの顔を覗き込む。
「・・・・・別に・・・さて、筋トレでもするか・・・」
ベニマルは立ち上がってスクワットをし始めた。
(はぐらかしやがったな・・・)
~~~~~3分後~~~~~
寝ていたシラウズの上にいきなりユリカゲとアスカナが落ちてきた。
「ぶがお!!」
「ぬおっ!」
「うわっ!」
「!!」
~~~~~~数分後~~~~~~
「それで、俺の影がうごきだしたんだよ!んでうんちゃらかんちゃら(以下略)」
「はん!オレの鎧と翼のほうがすげーから!マジカッコイーんだぜ!それにうんちゃらかんちゃら(以下略)」
二人はまるで子供のように自分の能力を自慢していた。
シラウズはそれを苦笑しながら見ている。
ベニマルは筋トレをスクワットから腕立て伏せに移行していた。
一通り二人の言い合いが終わったところでシラウズが話し始めた。
「・・・話聞いてて分かったんだがユリカゲ、お前の能力は影を操ることだな。
これは「操作タイプ」と言って身の回りにある物体や物質を操ることが出来る。
つぎにアスカナだがこれはちょっと複雑で「装備・強化複合タイプ」だ。
鎧が出現したところは「装備タイプ」だが、羽根がでかくなったのは「強化タイプ」だといえる。
このように二つのタイプの特徴が同時に表れるのが「複合タイプ」だ。」
シラウズが首をひねりながらも説明を終えた。
「ふーん。」
ユリカゲとアスカナは反応が薄い。
「・・・・・まあいいや。ほら、出発だ。明日にゃCHAO−POLICEに着くぞ。」
シラウズが荷物をまとめて立ち上がった。いつの間にかテントもたたんでいたようだ。
「おっし。んじゃいくか。能力も手に入れたとこだしな!」
アスカナの言葉とともに、四人はそろって歩き出した・・・・・・