第九話~能力ゲット!~

暗闇に取り残された二人は、戦闘を続けていた。

「喰らえ!」

ユリカゲは流れるように打撃を繰り出した。
ダークチャオはいとも間単によけている。

「無駄だ・・・お前の攻撃は全て見切っている・・・
 お前が能力に気付かん限り、俺を倒すことは出来ない。」

ダークチャオはユリカゲのパンチをなぎ払い、とび蹴りを決めた。

「ぐあっ!」
「まだまだあっ!」

宙に浮いたユリカゲに、洗練された動きで的確に攻撃していく。
下あごにアッパーを決め、さらに浮かせたところを腹に連続で
パンチを放った。

「ぐああああっ!」

ドシャアアッ!とユリカゲは地面に叩きつけられた。

(くそっ!何かやつを倒す手は・・・無いのか!)

ユリカゲが地面を叩くと、ユリカゲの影がうごめいた。

「!?」

ユリカゲが驚いて跳びのくと、影が地面から離れユリカゲの前に
立ち尽くした。

「まったく、ボコボコにやられちまって、俺の持ち主ともあろう者
 が情けねえ。しゃあねえ、チカラ貸してやるよ。」

「・・・・・・・」

ユリカゲはあまりの突然な出来事に言葉も出ない。
そんなユリカゲをよそに影はダークチャオの元に飛んでいった。

「おらあっ!」
「ぐっ・・・」

影が手をぐいーーんと伸ばしダークチャオを殴ると、
ダークチャオはふっと消えた。

その様子を、覚醒師たちは白い空間から視ていた。
ダークチャオがつぶやいた。

「ユリカゲ、試練クリアー。」



一方、アスカナは、落下の真っ最中だった。

「うわあああっ!ぐっ・・おら!」

アスカナはナイツチャオ特有の大きな黄色い羽根を目一杯広げて、
はばたこうとしたが、
一向に落下スピードは落ちない。勢いがつきすぎていたのだ。

「くそっ・・こうなりゃやけだ。うおおおおおっ!!!」

アスカナは自分のもてる力全てを出し、羽ばたいた。
すると、風を受けた羽根が金色に輝いた!
さらに羽根は見る見るうちに変形し、角が60度、30度、90度
の三角形になった。
身体に着いているほうの角は60度だ。
そして羽根だけではなく、身体もいつの間にか鎧に包まれていた。

「うおっ!こりゃすげえ!」

アスカナは無事着陸すると、大声で叫んだ。

「おっしゃあ~~~~~~~!!!!」

それを視ていた三人の覚醒師たちも、

「お~~~~~やるじゃん。」
「ふん。まだ能力が発現したぐらいだろ。しっかり理解しなきゃ
 使いこなせねえぜ。」

「まあまあ、一応これで二人とも試練クリアー、だね。
 元の空間に戻してあげよう。それっ!」


二人は、シラウズとベニマルがいるところへワープした。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第273号
ページ番号
10 / 17
この作品について
タイトル
被り物団の仲間達
作者
トリップ(ユリカゲ)
初回掲載
週刊チャオ第267号
最終掲載
週刊チャオ第280号
連載期間
約3ヵ月2日