第七話~白い空間~

 二人は、いつの間にか真っ白い空間に倒れていた。
先に目を覚ましたのは、アスカナだった。

「何じゃこりゃ!」

その大声で、ユリカゲも目を覚ました。
ユリカゲは起き上がると、

「ん・・・?ここは・・・」

ユリカゲは左程驚いてはいないようだ。
立ち上がって辺りを歩き回ると、急に振り返って

「なあ、俺達さっきまで森にいたよなあ・・・」

とつぶやいた。
それに対してアスカナは、

「ああ、そういや、そうだよな・・・あの二人に運ばれたのか?」

二人が考え込んでいると、急に後ろから声がした。

「教えてあげようか?」

二人がはっとして振り返ると、後ろには三人のチャオがいた。
真ん中はNNN、右はDNN、左はHNNだ。
今しゃべったのは真ん中のチャオのようだ。
次にヒーローチャオが話し始めた。

「ここは「覚醒の間」。チャオのドライブ能力を目覚めさせる空間だよ。
 そして僕らは「覚醒師」。チャオにドライブ能力を授ける者。」

ヒーローチャオは微笑んだ。二人は警戒して身構えている。しかし、二人とも黙って聞いている。
そこへ、ダークチャオが一歩乗り出してえらそうに喋る。

「今からお前らには試練が与えられる。その試練を乗り越えれば
 お前らは晴れてドライブ能力使いの仲間入りって訳だ。
 それじゃ、せいぜいがんばれよ。」

ダークチャオが吐き捨てると、三人は一斉に手を叩いた。
ぱあん、と力強い音がすると、突如空間に亀裂が入った。

「さあ、その亀裂の中に飛び込め、試練はそれからだ。」

ユリカゲとアスカナは、顔を見合わせてうなずくと、
そろって亀裂に身を投じた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第273号
ページ番号
8 / 17
この作品について
タイトル
被り物団の仲間達
作者
トリップ(ユリカゲ)
初回掲載
週刊チャオ第267号
最終掲載
週刊チャオ第280号
連載期間
約3ヵ月2日