エピソード №20
ヤイバ「おっはよー、カズマー!」
カズマ「あ、もう平気なの?」
ヤイバ「うん!ちょっと頭がズキズキするけどね・・・。」
ヒカル「さぁーて!これからが問題よねぇ・・・。」
ハルミ「そうですね・・・。」
エピソード №20 「情報屋の売る怪盗、そしてそっくりさん」
前回でひとまず相手の組織の一つを破壊した四人は、次なる行動について相談していた。と、そこへトシが話に割り込む。
トシ「なんだ、もう行っちまうのか?」
ハルミ「はい・・・。」
トシ「俺も行くよ。」
四人「・・・はぁ?」
カズマ「大丈夫なの?ボク等が相手にしてるのは物凄い大きい組織だよ?」
四人は、トシの説得に苦労しているようだ。
トシ「ああ、それくらい分かってるさ。」
ヤイバ「じゃあ何で・・・。」
トシ「まあまあ、そこら辺は安心しな。俺は役に立つからさ。」
ヒカル「役に立つって・・・?」
トシ「・・・・・さぁ~ってと!!そろそろ話そうか?・・・ショーゲキの事実を。」
ハルミ「ショーゲキの・・・。」
ヤイバ「事実・・・?」
トシ「俺はな、ここの住民じゃない。」
ヒカル「え?」
トシ「俺は、さすらいの情報屋なんだよっ!情報求めて一人野次馬として、我が愛車の軽トラを飛ばし、ただ行き先も決めず旅をする・・・。」
ヤイバ「妄想の世界に入ってるよ・・・。」
トシ「そしてっ!俺はお前等の正体だってキッチリ知っている!お前等は人間だ!!」
トシが叫んだ。ハラの底から大声で。人差し指までつきつけて。・・・まあチャオに人差し指なるものがあるかは別として。
ハルミ「ど、どうして・・・?」
トシ「言ったろ?俺は情報屋さ。お前等に関係してるヤマ(事件)の目撃者だっているんだ。サツのフリして証言聞いて・・・楽な仕事だよ。」
ハルミ「(普通気付くハズなのに・・・。)」
トシ「俺はお前等に興味がある。だから、ちーとばかし嘘も付かせてもらったぜ。ここの住民じゃないこととかな。」
カズマ「じゃあ、何でイベントのある日だけは皆いなくなるって知ってたの?」
トシ「そいつぁデタラメさ。」
カズマ「(オイ!そりゃないっしょ!)」
トシ「それでよぉ、お前等にピッタリ来るようなネタ、俺は持ってるよ。」
ヒカル「ネタって・・・情報?」
トシ「そうっ!最近出没し始めた奴だ。その名も、怪盗X。」
四人「怪盗Xぅ?」
怪盗Xとは、最近出没し始めた怪盗だ。予告状を送りつけ、その日の内に見事に狙った物を盗む。これはまあ普通であろう。
しかし、その怪盗Xは他の怪盗とは違う点がたった一つあった。
カズマ「・・・で、そのほかと違う点って?」
トシ「それはなあ、知らねぇ内に犯行が実行されてるんだよ。」
ヤイバ「知らない内にって?」
トシ「そこなんだよ、わからねぇ場所は。前触れもなく物は盗まれててよぉ、目立った動きが無いんだ。全っ然な。」
ヒカル「・・・それで、それがアタシ達とどう関係があるの・・・?」
ヒカルの言う通り、どこにも四人との接点が無さそうだ。」
トシ「ヨシっ、こっからは俺の考えだ。お前等が相手にしてる奴等はでっけぇ組織だろ?」
カズマ「うん・・・知らないけど。」
トシ「あれだけドデカイ組織動かすにも、金が必要だろ?だから盗みを働いて金を頂くと・・・。」
ハルミ「ははぁ・・・ありえますね。」
トシ「それにさっ、面白そうだろ!?相手にしたくなるよコイツは!」
カズマ「うんうん!すっごく面白そうじゃん!」
ヤイバ「(おーうい・・・。)」
ヒカル「ねぇねぇ、ちょっと忘れてない?」
カズマ「ん?」
ヒカル「アタシ達って、一応ポリに目付けられてる訳だからね?いかにもポリの臭いがプンプンしてる事に首突っ込むのもヤバイんじゃないの?」
トシ「それじゃあ、全員地下に行くぞー。」
ヤイバ「地下?」
トシ「そうだ!」
トシ「まっ、こんなもんだろ。」
ハルミ「え~っと、コレって・・・。」
ヒカル「変装って奴よね・・・。」
ヤイバ「ヒカルのはそうでも無い感じだよ?」
カズマ「帽子の角度を変えただけみたいだし・・・。」
ヒカル「もうちょっとうまく出来ないの?」
トシ「全員メガネって事になるなぁ。」
ヤイバ「それでいいんじゃ?」
・・・と言う訳で全員変装をした。
カズマは赤の蝶ネクタイを付ける。
ヒカルは帽子の被り方を変えて顔を見えない程度にし、青の蝶ネクタイを付ける。
ヤイバは帽子を被りマスクをした後、黄の蝶ネクタイを付ける。
ヒカルはただ緑の蝶ネクタイを付ける。
全員メガネだ。
トシ「ハッハッハァ、面白いなぁ、こうしてみると。」
ハルミ「遊んでる訳じゃないんですよね?」
トシ「それなりにマジメさ。」
ヒカル「(そのそれなりにが信じられない・・・。)」
トシ「まあ何はともあれ、行くか!」
カズマ「おーう!」
ヤイバ「目が輝いちゃってるよ~?」
ヒカル「・・・こうなったらもう止めようが無いわね。」