エピソード №18

誘拐犯「やあ、久しぶりだねぇ。」

カズマ「・・・全くだね、誘拐犯さん。」




エピソード №18 「ただの手駒」









カズマ「ところで、名前、全然聞いてないね。」

阿部島「・・・阿部島国光。覚えておくといいさ。これが最後のご対面だからね。」

ハルミ「単刀直入に言います。誘拐した二人を解放してください。」

阿部島「後ろにいるぜ。あのトビラさ。」

そう言って親指で後ろのトビラを指差す。

阿部島「だが、簡単には返せねぇな。」

カズマ「そんなのどーだっていい!とにかく二人を返せ!」

阿部島「うるさいっ!・・・あー、俺もこんな奴相手にしてられねぇなぁ。」

カズマ「そんなんならさっさと・・・。」

阿部島「無駄だ。」

ハルミ「無駄って、どう言う事ですかっ!!」

阿部島「ココは、もう崩れるんだ。」

カズマ「崩れる・・・?」

その発言と共に、地震が発生した。

カズマ「うわわわわわっ!」

阿部島「始まったな。残り10分だ!それでココは消え去るさ。」

ハルミ「な、何を根拠に・・・。」

阿部島「終わりなのさ!お前達がココに入った時点で!ココを消し去る!お前等と!この俺が!」

カズマ「何狂ってんだ!そもそも何でこんな事すんだよ!」

阿部島「知りたいか?教えてやろうじゃねえか!俺はただの手駒なんだよ!」

ハルミ「手駒・・・?」

阿部島「所詮俺は手駒さ!このままお前等共々ココを崩して、最後の任務を果たす!!!」

カズマ「・・・死ぬ気なのか?」

阿部島「もう止められねぇさ。残念だったなぁ!!ッハァッハッハッハッハッハ・・・。」

ズキュン!!

・・・その銃声と共に、阿部島は倒れた。

ハルミ「か、カズマさん!」

カズマ「コイツは、生きる権利が無い。自分で認めたんだよコイツは。自分を手駒だと認めて、生きる希望とかを無くした。」

ハルミ「カズマさん・・・。」

カズマ「・・・もう、コイツは全て失っちゃったんだよ。生きる楽しさとかさ。・・・選ぶ道を間違えたんだな、きっと。」

ハルミ「・・・。」

カズマ「簡単だよ、やめるのは。でもそれだけ後悔は大きい。無駄に深入りしたんだな。危ない道に。・・・ボク等も同じだね。」

ハルミ「同じ?」

カズマ「無駄に好奇心が多すぎたんだ。楽しいだろ?それだけ苦労が跳ね返ってくる。その苦労を乗り越えるのをやめたんだ。でも、ボク等と違うのはココだった。」

ハルミ「・・・分かります。私達は、諦めない。」

カズマ「そう。・・・ボク等も、今更こんなトコでサボってる場合じゃないしね!とにかく脱出!!」

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このページについて
掲載号
週刊チャオ第218号
ページ番号
26 / 40
この作品について
タイトル
銃声が奏でる狂想曲
作者
冬木野(冬きゅん,カズ,ソニカズ)
初回掲載
週刊チャオ第206号
最終掲載
週刊チャオ第230号
連載期間
約5ヵ月18日