エピソード №10

誘拐犯「・・・君、どうやって・・・？」

カズマ「どうもこうも、脱出したに決まってんじゃん。誘拐犯さん。」




エピソード №10　「目的」









誘拐犯「・・・はっはっはっはっは、いやぁ、大した物だねぇ。まさか脱出してきたなんて。」

カズマ「まあまあ、お世辞は後にしてよ。一応、怒ってるから。」

そう言って、目の前の誘拐犯なる存在をにらみつける。

誘拐犯「奇遇だねぇ。僕も君みたいに頭のいいチャオが大っ嫌いだから。」

カズマ（チャオ、ねぇ・・・。）

誘拐犯「さて、君にはしばらく眠ってもらいたいんだけど・・・。」

と、言いかけた所で、カズマはとっさに銃を構えた。

カズマ「眠ってもらいたいんだけど？それで？」

その自信満々の態度と怒りの発言に、誘拐犯は驚いた素振りを見せる。
・・・少しの沈黙の後、態度を変えて誘拐犯は言い放った。

誘拐犯「テメェ・・・何物だ？」

カズマ「・・・その前に、目的は？身代金でも頂きたいんですか？」

誘拐犯「・・・ふっふっふっふっふ・・・違うな。」

カズマ「え。違う？」

その質問を受けたと同時に誘拐犯は態度を戻した。

誘拐犯「実験に使うんだよ。人間をチャオにするって言う・・・。」

無論、その言葉に驚くカズマだった。

カズマ「人間を・・・チャオに！？どう言う事だよ！まさか・・・。」

誘拐犯「チャオにして、どうするつもりかって？いくら君みたいな子でも言えないなぁ。」

カズマ「じゃ、じゃあ、あのダイナマイトは？」

誘拐犯「万が一、サツにバレたら・・・ね。」

聞きたい事を聞いた後、頭の中で整理した。

カズマ（・・・待てよ、そうするとチャオの誘拐は極最近に始まったんだ・・・。僕の体は偶然あの地下に行って、それを追いかけて・・・。
その実験が成功して、誘拐を始めた。そうすると・・・。




コイツもあいつらの仲間・・・！）









誘拐犯「君の体は君の体じゃ無くなるんだ。つまり、君と言う存在はいなくなる。」

カズマ「・・・はははっ！残念だけど、僕はハズレだよ！」

誘拐犯「ハズレ・・・？」

カズマ「そっ！だって僕、元が人間だもんね！！」

誘拐犯「んなっ！まさか、君の体は・・・試作品か？」

カズマ「ハズレ～。極普通のチャオの体だよ！！」

誘拐犯「なんだとぉぉぉぉぉ！？」

カズマ「更に！ココにいる僕の友達もすでに人間！！！」

誘拐犯「・・・バカなっ・・・！！」

カズマ（ハルミはどうだか知らないけど・・・。）

誘拐犯「・・・もういい。」

カズマ「？」

誘拐犯「ココを・・・無くそう。」

カズマ「無くす・・・？」

そう言って、誘拐犯はヒカルとヤイバを抱いた。

誘拐犯「抽選二名。この子達を連れて・・・・・・・・・・ココを爆破するっ！！」

カズマ「えええええっ！！？」

誘拐犯「制限時間１０分！幸運を祈る。」

そう言うと誘拐犯はスイッチを押し、後ろにあったドアから外へ出て鍵をかけた。

カズマ「制限時間・・・１０分・・・！」

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