第四話「破壊と修復」

「答えはNo、Yes、どちらだね?」

大統領は整理を終えたα―238に尋ねた。
すると少し間をおいてα―238は答えた。

「大統領、一ツ言ッテオクチャオ。
 僕ニまざーを壊スノハ無理チャオ。
 デモ…でーたノ書キ換エハ出来ルト思ウチャオ」
「現状が解決されれば良いのだ。
 この際壊さなくても良い。とにかく止めてくれれば結構だ」

ウィリーシスはとりあえず安心した。
彼が『壊す』なんて言ったら友達でいられないような気がしたからだ。

「ですが大統領…あの施設はマザーが全て監視しているのですよ?
 書き換えるにしてもコンピューターを使う前に捕まりますよ」

そこでウィリーシスの出番だ。

「私が書き換える役をかいましょう。
 少しはコンピューターの使い方くらい分かりますので。
 α―238がマザーをひきつけておいて、その隙に私が書き換えます」
「だがこういったことは専門の…」
「うぃりーしすハぷろぐらまーノ卵チャオ!」

ウィリーシスは今人間で言えば高校生。
ハッキング出来るほど達者だ。
もちろんするわけがないが。

「しょうがない…頼むぞ青年」





つづく
 

このページについて
掲載号
週刊チャオ第67号
ページ番号
5 / 11
この作品について
タイトル
『情報世界』
作者
ドロッパ(丸銀)
初回掲載
週刊チャオ第55号
最終掲載
週刊チャオ第81号
連載期間
約6ヵ月2日