~第五章・前編~

「とうとう・・・気づいてしまったようだな・・・」

俺には、その言葉の意味が理解できなかった

ゼロ「(気づいた・・・何のことだ?)」

俺は岩の上にひざまずいたまま、親父を見上げる
親父「・・・よし、来い!」
親父はそういうと、目の前の川を飛び越え、そのまま歩き出していった
俺もすぐさま親父の後を追った

・・・しばらく歩いて着いたのは、
この滝に来る前にいた場所・・・俺が初めて「騙された」と気がついた場所だった
親父「・・・まぁ、座れ」

そういって親父がどっかとその場に腰を下ろす
俺も言われたとおりに座り、俺と親父は向き合う形になった

親父「・・・とうとう・・・気づいたか・・・」
親父がうつむきながらしゃべり始める
ゼロ「だから・・・その「気づいた」って・・・なんのこと?」
それを俺がさえぎる

・・・そして親父が立ち上がる
親父「お前は・・・実は・・・」

親父は意を決したように口を開く
しかし・・・親父の口から出てくる言葉を、
俺は予測できなかった・・・・・・

親父「実は・・・・・・」

・・・ってゆーか・・・

ゼロ「・・・・・・?」

親父「・・・究極生命体なんだあああああぁぁぁぁぁ!!」

予測できるはずがなかった

ゼロ「・・・・・・あぁ!?」
俺は思わず声が裏返る
いきなり何を言い出すんだこのオヤジは
ゼロ「い、いや言ってる事がわかんねーよ!・・・究極生命体って?」
そして親父が座り込む
親父「いや、だからぁ・・・お前は実は究極生命体なの」

だから究極生命体ってなに!?

ゼロ「いやその・・・究極生命体ってなに?」
俺は率直に疑問をぶつけるが・・・
親父「だからぁ、お前は実は究極生命体なんだってば!わかんないやつだなぁ~」

わかるかボケ!!その究極生命体ってぇのはなんなんだ、っつってんだよ!!

ゼロ「だから究極生命体って何!?」
親父「だからお前は実は・・・」

いい加減にしろボケ!!

・・・・・・しばらく無益な争いが続き・・・・・・

十分後・・・

親父「よしわかった!一から説明してやる!」
初めからそうしろボケ!

親父「いいか、一度といわず何度でも話してやるからよく聞いとけよ・・・
あれは・・・十数年前だな・・・・・・」
親父は何かを思い出しながら、ゆっくり話し始めた・・・・・・

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俺は、その日も日課のジョギングを終えて、家に帰るところだったんだ・・・
朝5時ごろだったかな~・・・いや、6時?7時?8時?まぁ、とにかくジョギングしたんだよ

んで、家に帰って来たんだけど・・・玄関の前で、「何か」が俺の頭を直撃したんだよ

俺はその場に倒れこんで頭を抱えて、しばらく暴れまわってたんだけど、よく考えたらヘルメットをしてたからぜんぜん痛くないことに気がついたんだよ
何でヘルメットしてたのかはわからんが・・・

んで、辺りを見回してみると・・・・・・でっかいダンボール箱があったんだよ
恐らく、空から降ってきて、偶然俺の頭を直撃したんだろうな
え?なんで空から降ってきたかわかるかって?俺の勘だよ、文句あっか?

んで、そのダンボール箱をあけてみた・・・すると・・・・・・
中に、割れたチャオの卵と、本が入ってたんだ
んで、俺が中に入ってた本を取り出そうとしたら・・・
中から、でかいコブを頭につけた、一匹のチャオが生まれたんだ・・・・・・
そして、本の表紙にはこう書いてあった・・・
「究極生命体」・・・・・・と・・・・・・
そして、ダンボールにもこう書いてあったんだよ・・・
「究極生命体シャドウ0」ってな・・・・・・

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ゼロ「な、なぁ親父・・・」
俺は親父の話をさえぎる

親父「ん?なんだ?」
ゼロ「今の話ツッコミどころいっぱいあるんだけど、とりあえずひとつ・・・
そのチャオって・・・もしかして・・・」

親父「シャアラァップ!!」
ゼロ「!!」
親父は俺に手を向けて俺の話をさえぎる

親父「読者の楽しみを奪うもんじゃないぞ!!」
ゼロ「(ど、読者!?)」

親父「・・・まぁとりあえず聞け!」

そういうと親父は、また話し始めた・・・・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第29号
ページ番号
9 / 16
この作品について
タイトル
ジンコーセーメータイ列伝
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第26号
最終掲載
週刊チャオ第33号
連載期間
約1ヵ月19日