~第三章~
翌朝・・・
家の前
親父「じゃあな母さん、いってくるからな!」
お袋「お父さん、もう若くないんだから無理しちゃダメよ」
俺と親父は、これからヘブンズタウンに向かうところだ
ヘヴンズタウンで天国を満喫・・・あ、いや!厳しい修行のために・・・・・・
お袋「ほいゼロ、お弁当もって行きな」
俺は小さくお礼を言いながら、お袋から渡されたでっかい弁当箱を器用に、
背中に背負った、これまたでっかいリュックサックにいれた
親父「よし!行くぞ!」
ゼロ「へいへい・・・」
俺たちはお袋に見送られながら、そのでっかリュックを揺らし(ちと恥ずかしいが・・・)
ハーレム・・・・・・あ、いや!ヘヴンズタウン行きの電車が出ている駅に向かった・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
親父「俺~の筋肉世界一~♪見たやつゲロ吐き死んじまう~♪」
親父はさっきから、意味不明な歌を歌いながら歩いている(どーゆう歌詞だよそれ・・・)
親父!頼むからやめてくれ!!恥ずかしいぞ親父!!
俺はみんなからの白い目に耐えながら、なんとか駅に着いた
ゼロ「さて・・・と・・・」
俺は切符を買おうとしたんだが・・・
親父「おい!切符はもう買ってあるぞ!」
ゼロ「・・・へ?」
親父から切符を渡された
ずいぶんと用意がいいな・・・と思いつつ、渡された切符を持っていた財布の中に入れる
・・・・・・ここで、親父を疑わなかったのが俺の敗因だったかもしれない・・・・・・
フシュアアァァァ・・・・・・
ゴムの焼けた音とともに、ホームに電車がやって来た(俺はこの臭いが嫌いだ)
俺は近くの空いていた席に座る
そして、親父がその隣に・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・ぃ・・ろ・・・起きろ!」
ゼロ「はっ!」
親父「なにやってんだ!置いてくぞ!」
俺はいつの間にか眠ってしまっていた・・・
ゼロ「・・・あ、あぁ・・・」
俺は、まだ頭がはっきりしないまま、とりあえず親父の後を追う
・・・ここがどこだか、確認せずに・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゼロ「・・・おい・・・ここどこだ?」
周りを見渡しても、見えるのは木、木、木・・・・・・
今、俺がいるのは、見知らぬ山奥だ・・・・・・
親父「・・・ふふふ・・・はぁーっはっはっはぁ~だぁ!!」
親父は、手に腰を当てて・・・あ、間違えた
腰に手を当てて、高らかに笑った
ゼロ「な、何が可笑しい!?」
親父「ふふふ・・・お前は騙されたんだよ!俺の見事な作戦によってなぁ!!」
ゼロ「な、なにいぃぃぃ!?」
親父「俺が素直に、あんないいところにお前を連れて行くわけないだろヴァカ!!お前はこれから約一ヶ月!ここで修行するのだぁ!!」
ゼロ「な、なにぃぃぃ!?」
だ、騙された・・・完璧にやられた・・・
ゼロ「じ、じゃあ、俺の夢は!?カワイコちゃんは!?ピチピチのおねぇさんは!?」
親父「いねぇっつってんだろヴァカ!」
ゼロ「・・・・・・・・・・(うわあぁぁぁぁ・・・・・・)」
・・・俺の中で、何かが崩れた・・・・・・
親父「んじゃ、早速修行するぞ!まずは・・・」
ゼロ「誰がするかボケ!!」
俺は、完全に開き直る
俺の夢は、親父の陰謀によって崩された・・・
親父「・・・どーしてもしないか?」
親父は、地面にあぐらをかいて座っている俺に話しかけてくる
俺は、それを無視・・・しようとおもったんだが・・・
親父「残念だなー・・・KENKAトーナメントで優勝すれば「ヘヴンズタウンへの3泊4日の旅行券」がもらえるのになぁ・・・」
ぴくんっ
俺の耳が、常時の二倍のおきさになる
親父「確かチラシの下の方に小さく~~~くかいてあったんだよなぁ・・・誰かさんは、見逃してしまったのかなぁ?」
親父が、超わざとらしく言う
しかし・・・
俺はすくっと立ち上がると・・・
ゼロ「おぉやじぃ!!修行すっぞオラァ!!」
親父「おぉ、やってくれるか!」
作者「こうしてゼロは、哀れ、再び親父に騙されるのでした」