~第一章・前編~
チチ・・・チチチ・・・
早朝・・・・・・
ゼロ「Zzz・・・」
バカァン!
親父「くぉるぁあ!!ゼロォァア!!!」
ゼロ「うぉぁああ~~~!!」
俺は気持ちよく眠っていたところを、親父の気持ち悪い&ばかでかい声でたたき起こされた
ゼロ「はぁ・・・はぁ・・・び・・びくった・・・」
こんなに目覚めの悪い朝は初めてだ
まだ状況がよくつかめない俺は、
布団から上体を起こし、自分の部屋を見渡す
そして、なぜかパンツ一丁の親父の姿を確認する
ゼロ「お、親父・・・何の用だ・・・・・・・・・ってか、服着ろ服」
親父「細かい事気にすんじゃねぇ
それより、すぐ下に降りて来い」
そういうと親父は、階段を降りていってしまった・・・
用件はそれだけかよ・・・・・・
ゼロ「あんのクソ親父・・・せっかく寝てたのに・・・」
俺はぶつくさ言いながら、布団をたたみ始める
そして、ドアに目をやる
・・・・・・
ゼロ「親父・・・ドアぶっ壊しやがったな・・・」
・・・さっき俺は、親父に服着ろ、なんて言ったが、俺は服を着ていない(めんどいから)
この世界では、服を着てもいいし、別に服を着なくても恥ずかしい事ではない(俺が服着ろ、って言ったのは、親父が中途半端にパンツだけはいていたため)
この辺は、人間の世界と少し違うかもな
・・・え?なんで服着なくても恥ずかしくないかって?
・・・・・・チャオだからだよ、文句あっか?
そして俺は、壊れたドアの破片に注意しながら階段を降りる
下には、いつもどおり朝食を作っているお袋と、
パンツ一丁でイスにすわっている親父がいた・・・・・・
親父「おぅ!遅せーじゃねーか!」
ゼロ「だから、んな気持ち悪いもん見たくねーから、さっさと服着ろって!」
親父「まぁ、かたいこというな!それより、お前に知らせたいことがある!」
ゼロ「聞きたくねぇ」
親父「聞け!!ほら、このチラシ見てみろ(ちなみに、今日の朝刊に挟まってたやつだ)」
俺はチラシを受け取る
ゼロ「え~何々?(だれもんなこときーてねーよ)」
チラシにはこう書いてあった・・・
『来たれ!自分は最強だと思っている井の中の蛙どもよ!!』
・・・何つー見出しだ・・・
俺はそのまま、チラシを目で読む
『一ヵ月後の10月1日に、コスモスランドで、「KENKAトーナメント」をおこないます!!』
コスモスランドとは・・・
ラスティスタウンからずっと北にいったとこにあるでっかい国だ
世界中にある国の中でも、一番犯罪などが少ない国で、
すんでるチャオもいい人ばかりで、めちゃくちゃいい国だと聞いている
その下に、KENKAトーナメントのルールが書いてあった
KENKAトーナメント・・・格闘技など関係なく、ただ純粋に戦いあう大会(だそうだ)
大体のルールは、
とにかく相手を倒したら勝ち(気絶、戦闘不能など)
武器などの持ち込みも禁止
お互い、素手で戦いあうこと
ゼロ「・・・・・・」
俺は無言で読み続けた
『参加資格、誰でも(このチラシの配布範囲は、ラスティスタウン、オメスタウン、アラガスタウンです)』
オメスタウン、アラガスタウンとは?
この三つの村は、三角形のように隣り合っているのだ
北にラスティスタウン、南東にオメスタウン、南西にアラガスタウンといった感じに・・・
オメスタウンは、いかにも都会といった感じで、
ビルがたくさん建っている(と、きいている)
デパートとかもあるんだろうなー・・・うらやましいなー・・・
ココは村って言うより、町だよな
アラガスタウンは、田舎でもないし、都会でもないし・・・
ラスティスタウンとオメスタウンの中間って感じかな?
ココには、ゲームなどを買いに行くときによく行っている(電車で)
この三つの村は、昔から仲がよかったらしい
いまも、いい関係を保っている
『来たれ強者よ!井の中の蛙で終わりたくなければ、この場で実力を証明して見せろ!!』
・・・なんか知らんが、すごい挑発的な文だ・・・・・・
親父「どうだ?」
俺が全部読み終わったとたんに、親父が話しかけてきた
ゼロ「・・・なにが?」
俺は、チラシをテーブルに置きながら言った
大体、返ってくる答えは予想できた
親父「それに出てみる気はないか?」
やっぱり・・・
ゼロ「何で俺がこんなのでなくちゃいけねーんだよ」
親父「お前、喧嘩強いんだろ?道歩いてるとしょっちゅう言われるぞ!
「またお宅の子がうちの子を泣かしたんですよ!」って!」
親父が笑いながら言う
ゼロ「う・・・そ、それがなんだっていうんだよ・・・」
すると親父が、急に立ち上がる
親父「ばっきゃろい!!頭も悪くて、顔も悪くて、何も長所のないお前がたった一つ自慢できる長所はなんだ!?」
ゼロ「・・・・・・は?」
親父「お前の長所は・・・喧嘩だろ!?俺は、「お前が喧嘩で友達をなかした」といわれたとき、一度も謝ってなんか無いぞ!」
ゼロ「・・・?」
親父「なぜなら!喧嘩が強いという、お前の長所だから!お前のいいところだからだ!!
その「才能」ここでいかさないでどーするッ!?」