中編
─ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ・・・
「・・・・・?」
ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ・・・・・・
「・・・あれれ?」
ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ・・・・・・
「・・・もしかして・・・夢だったちゃお?」
気がつくとチャンタンは、ヒーローガーデンの大きな泉で
気持ちよさそうに背泳ぎをしていた。
「ゼリョーヌ君・・・・・・あ、居たちゃお・・・」
先程、悪の帝王に捕まっていたはずのゼリョーヌ君は、泉の外の
もりもりの木の陰で、美味しそうに赤い木の実をほおばっていた。
「う~ん、このスタミナが上がっていく感覚がたまらないちゃお~」
幸せそうな顔をして、そんな感想を述べているゼリョーヌ君。
「・・・美味しそうちゃおねぇ・・・」
背泳ぎを止め、ぷかぷかと浮かび、
ゼリョーヌ君の様子を眺めながらチャンタンは言った
「・・・そろそろゴハンどきかもしれないちゃお」
と言って、泉の外へ向かって泳ぎだすチャンタン。
陸地に近い所だったため、すぐに水から上がることができた。
「ぷは~」
─その直後だった。
「・・・!!? !!!?」
急激に猛烈な気持ち悪さに襲われ、
みぞおちの辺りに痛みにも近い苦しみが現れた。
当然、チャンタンは驚き、苦しみ、苦悶の表情を浮かべた。
「うげげぇっ・・・な、何ちゃお!!?」
少しして、チャンタンの顔に、ひらめきの表情が出た。
「・・・ハッ! この感覚は・・・ゴハンを早く食べろって事ちゃお!!」
それが激しい空腹による苦しみだと気がつくチャンタン。
急いで近くに落ちていた薄黄色の木の実を拾い、かぶりつく。
「あっぽ、あっぽあっぽ!」
そんな声がガーデン中にこだまする。
「ぷぁあ~」
あっという間に黄色い実は、跡形も無く食べられていた。