中編

─ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ・・・


「・・・・・?」


ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ・・・・・・


「・・・あれれ?」

ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ、ちゃぷ・・・・・・


「・・・もしかして・・・夢だったちゃお?」

気がつくとチャンタンは、ヒーローガーデンの大きな泉で
気持ちよさそうに背泳ぎをしていた。

「ゼリョーヌ君・・・・・・あ、居たちゃお・・・」

先程、悪の帝王に捕まっていたはずのゼリョーヌ君は、泉の外の
もりもりの木の陰で、美味しそうに赤い木の実をほおばっていた。

「う~ん、このスタミナが上がっていく感覚がたまらないちゃお~」
幸せそうな顔をして、そんな感想を述べているゼリョーヌ君。

「・・・美味しそうちゃおねぇ・・・」
背泳ぎを止め、ぷかぷかと浮かび、
ゼリョーヌ君の様子を眺めながらチャンタンは言った

「・・・そろそろゴハンどきかもしれないちゃお」
と言って、泉の外へ向かって泳ぎだすチャンタン。
陸地に近い所だったため、すぐに水から上がることができた。

「ぷは~」

─その直後だった。

「・・・!!? !!!?」

急激に猛烈な気持ち悪さに襲われ、
みぞおちの辺りに痛みにも近い苦しみが現れた。

当然、チャンタンは驚き、苦しみ、苦悶の表情を浮かべた。
「うげげぇっ・・・な、何ちゃお!!?」

少しして、チャンタンの顔に、ひらめきの表情が出た。
「・・・ハッ! この感覚は・・・ゴハンを早く食べろって事ちゃお!!」
それが激しい空腹による苦しみだと気がつくチャンタン。
急いで近くに落ちていた薄黄色の木の実を拾い、かぶりつく。

「あっぽ、あっぽあっぽ!」
そんな声がガーデン中にこだまする。
「ぷぁあ~」
あっという間に黄色い実は、跡形も無く食べられていた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第126号
ページ番号
2 / 3
この作品について
タイトル
Jahoo!!
作者
歯石塚
初回掲載
週刊チャオ第126号