後編

「ふう~、これで一安心ちゃ・・・・・おっ!!?」
安らぎの表情を浮かべかけたチャンタンを、次の苦しみが襲った

「ぅげ・・・っ、げほげほぉっ!の、喉が痛いちゃお~!
 それに、なんだかものすごく、さ、寒いちゃお~っ!!」
謎の現象に、戸惑い、苦しむチャンタン。
そして、この原因を考えるうちに、ある結論に辿りついた。

「わ・・・分かっげほげふん!!・・・分かったちゃお~・・・」
途中で咳き込みながら、チャンタンは言う。

「あ、悪の帝王の・・・っ!げふん!!ふ、復讐ちゃお~っ!!
 げほごほっ!チャンタンの体に、変な魔法をかけているちゃお~!!
夢じゃなかったちゃお~!?けほん!!」
騒ぎ出すチャンタンに、皆が注目しだす。

これは大変だと思い、チャンタンは、近くで友達のシーニイ君の世話をしていた
ソニックの元へ行き、こう伝えた。

「ううっ・・・げほっ、た、助けてちゃお~!!」
何があったんだ?といった感じに、首をかしげるソニックに対し、
チャンタンはこう続けた。

「悪の帝王の呪いちゃ・・げふん!!・・・ぉ~・・・
 このままじゃ・・・げほごほっ!!このままじゃ死んじゃうちゃおよ~!!
 げほげほっ、ごほっ!!」

訳が分からないといった表情のソニック。
しかし、咳き込むチャンタンを見て、ソニックは何か思い出したような表情をした。
そして、次の瞬間、『あ、あれか~! 珍しいもん見たな~』と言わんばかりに、
とても嬉しそうな顔をした。

「げほげほげほっ!!お友達を助けるために・・・悪の帝王におおきな、げほっ、
お、おおきなお水ぶつけたちゃお~。そしたら、悪の帝王がピカーって・・・・・・え?」

チャンタンが喋っている最中に、
ひょい。と、ソニックがチャンタンを持ち上げた

「な・・・何するちゃおか?」
走り出し、ヒーローガーデンから外に出るソニック。
そして、下に続く、光る階段を横から飛び降り、右側にある門・・・
『チャオ幼稚園』へと続く門へ足を踏み入れた。

「ごほごほっ!何してるちゃおか~!
 これは病気じゃないちゃお~!!呪いちゃお~!!
 保健室行ったって、けほん!!・・意味ないちゃお~!!」
そんなチャンタンの忠告も聞かず、保健室へと直行するソニック。
十字マークのついた水色の扉が、音も無く開く。


「はい、どうしました?」
医者のチャオだ。
ソニックは何も言わず、チャンタンを差し出した。

『ピッ』
不意に、どこからともなくそんな音が聞こえた。

ぽん、と、椅子に座らされるチャンタン。
まだ呪いだ呪いだとわめき立てている。

「こ、これは・・・!」
医者のチャオが、思わせぶりな口調で言う。

すかさず、チャンタンがわめきだした。
「や・・・やっぱり呪いちゃお!!
 だ、だから言ったちゃお、病気なんかじゃなかったちゃおよ!!げほごほっ!!
 早く悪の帝王を見つけ出して、呪いを解─」

言いかけたところに、医者のチャオが、診察結果をあっさりと告げた。

「夏風邪ですね、薬出しておきます」


「・・・え?」


ぽかん、とした表情で、固まるチャンタン。
そのチャンタンに、医者チャオは

「馬鹿丸出しな妄想も、ほどほどにしておきましょうね」
と、冷ややかな言葉をかけた


「ホ、ホントに風邪ちゃおか・・・?」
信じられない、といった感じに、チャンタンが尋ねる。


「・・ホントに風邪です」
少しいらついた様子で、医者チャオが言った。

「・・・ど、どうして風邪なんてひいちゃったちゃおか・・・?」
どうも納得いかず、風邪の原因を尋ねるチャンタン。
それを聞いて、「はぁ・・・」と、ため息をつき、医者チャオが言う。

「全く・・・どうもこの時期、寝ながら泳ぐド低脳が増えて困るんですよね・・・」


チャンタンは、あんぐりと口を開け、全ての原因を理解した。

「・・・・・・けほん!!」


                            終わり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第126号
ページ番号
3 / 3
この作品について
タイトル
Jahoo!!
作者
歯石塚
初回掲載
週刊チャオ第126号