その4

<その4>

【飛島】「みんな、準備はいい?」
【フィニット】「もち!」
【クルセイド】「ああ!」

エターニア地下のSONIC本部。そのモニターに、1人の男が映った。惑星政府大統領である。
【大統領】「ジャッゴバスターズの諸君。この星の運命は君たちにかかっている。
      ・・・≪全てのチャオラーに告ぐ!総攻撃を開始せよ!≫」

すると、クルセイドの隣にいた人間の男が。
【男】「≪それはない。何故なら奴はチャオだから≫な・・・」
【クルセイド】(というか俺もチャオだし。)

どうやら大統領はジャッゴバスターズのことをよく知らなかったらしい。そもそも「全て」のチャオラーではない。

ともかく、攻撃命令が下った。
ジャッゴバスターズは一斉に地上に飛び出し、ジャッゴと戦闘状態に突入した。

【フィニット】「うおおおおっ!」
政府から支給された武器は剣と銃。ビルを利用しジャッゴの背後に回り込むと、フィニットは剣で一撃。まず1匹。
だが、ジャッゴは相当数いる。すぐに他のジャッゴが彼のところへ向かってくる。
【フィニット】「今だっ!ヒューマナイズっ!」
飴をパクリ。ヒューマナイズすると、乱れ斬り。周囲のジャッゴを一掃した。

【クルセイド】「やるねぇ・・・俺にはあんなマネできそうにないがな・・・」
彼は銃で迫り来るジャッゴを次々と撃ち抜く。これはこれでなかなかの腕前。

【フィニット】「くっ・・・だが多いな・・・ヒューマナイズ解除っ!」
彼はチャオに戻ると、飛び上がり、空中から銃を連射し撃ちまくる。ジャッゴは飛べない。


【飛島】「ふぅ・・・殴るしか能の無いジャッゴに対し、私たちにはここがあるのよ・・・」
と、頭を指す。地下の本部で、1人残った飛島。戦況は順調である。

・・・だが、突然、銃声が響き、飛島の右腕を掠めた。
【飛島】「!?」

現れたのは、少年。
【少年】「我々の計画を邪魔してもらっては困るんだよね・・・」
【飛島】「計画・・・?ただ自分たちの失敗を無責任に外宇宙に放り出しただけでしょう・・・?」
【少年】「宇宙を知らない人間が我々の何を知っているっていうんだい?」
【飛島】「惑星政府をなめないで欲しいわね・・・グラールの少年?」

互いに銃を構え向き合う。

【飛島】「これは半分私たちの推測が入ってるけど・・・昔、チャオが乗った私たちの星の宇宙船がグラールに不時着した。
     そして貴方たち、グラール太陽系の人々はチャオを材料に、遺伝子改造の研究を始めた・・・
     その成果がジャッゴ、チャオとは似て非なるもの。」
【少年】「・・・・・」
【飛島】「だけどジャッゴが増えすぎたか凶暴化したかして、グラールで抱えきれなくなった。
     そこでグラールの人々はあの隕石にジャッゴを閉じ込め、外宇宙に放出した・・・いわばゴミを投げ捨てた。
     それがたまたま『故郷』である私たちの星に戻ってきて、災厄をもたらしている。
     ・・・こんなところかしら?どう?合ってる?」
【少年】「80点、かな・・・」
【飛島】「そう。それだけ貰えれば十分ね・・・」

【少年】「そうだ、お前らさえいなければ・・・グラールは平和だったものを!
     お陰で我々がどれだけの苦難を蒙ったと思っている!何百年と戦争を続けてきたと思っている!
     種族なんてものが生まれ、互いに憎み合って・・・戦争は終わったけど、対立が無くなった訳じゃない・・・!」
【飛島】「それはただの逆恨みじゃないの・・・悪いのは貴方たちでしょう?
     勝手に他の星の生き物を捕らえて実験材料にして、都合が悪くなったら外宇宙にポイ。・・・どう考えても貴方たちの身勝手じゃない!」
【少年】「≪黙れっ、くたばれぇーッ≫!!」

少年は銃を一発。だが、飛島の姿は無かった。
【少年】「!?」
次の瞬間、飛島は少年の後ろにいた。少年が銃を撃つ直前にチャオナイズして避け、回り込んで解除したのだ。
【少年】「≪くそ・・エターニア人め!≫」
少年の背中から銃を突きつける飛島。
【飛島】「ゲームオーバーね・・・」
【少年】「それはどうかなっ!」
少年は咄嗟に回り込んで彼女の銃を振り払う。
【飛島】「!?」
そして、自分の銃を飛島に突きつけ、撃とうとした瞬間、
【フィニット】「はああああっ!!!」
フィニットが上空から剣で一撃、銃を真っ二つにした。

【飛島】「フィニット君・・・!?」
【フィニット】「いやぁ、ジャッゴ相手にすんのも飽きちゃって、戻ってみたらこの通りってな。」

【少年】「くっ・・・だが、まだっ!」
少年は落ちていた飛島の銃を拾い上げたが、次の瞬間、彼を刃が貫いた。
【少年】「ぐはっ・・・!?」

刺したのは、クルセイド。
【クルセイド】「お前、いい加減勝手に行動すんなよ・・・ま、そのお陰で俺はこうして大手柄ゲット、な訳なんだがね。」


数時間後、地上のジャッゴも殲滅完了、この星の平和は守られた。


【フィニット】「っしゃ、パーティーだっ!」
と、近くにあった酒樽を持っていた銃で撃つ。豪快な開け方だ。だが。
【飛島】「≪あ・・・それニトロ・・・≫」


・・・そっから先は、うん、まぁ、そういう事です。


このページについて
掲載号
週刊チャオ第249号&チャオ生誕8周年記念号
ページ番号
4 / 5
この作品について
タイトル
キーワード小説「ジャッゴバスターズ」
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第249号&チャオ生誕8周年記念号