その3
<その3>
2匹が連れてこられたのは、カプセルが並ぶ部屋。
【飛島】「それじゃ、この中に入って。数分でヒューマナイズ処理は終わるわ。」
とりあえず、カプセルの中に入る2匹。
入った途端、強烈な睡魔が2匹を襲い、2匹は眠りについた。簡単に言えば麻酔である。
カプセルが閉まったのを確認すると、飛島はコンピュータを動かし、プログラムを起動させた。
【飛島】「こっちには、こっちのやり方があるのよ・・・」
と謎の一言をつぶやきながら。
数分後。
2匹が目覚めた。カプセルは既に空いている。一見、外見に変化はない。
【フィニット】「なぁ、本当にこれでヒューマナイズできるのか?」
【飛島】「これで準備完了、ってところね。はい、これ。」
と、飛島は2匹にビンを1つづつ渡す。
【クルセイド】「これ、何ですか?」
【フィニット】「ビンの中に、なんか飴みたいなのが入ってる・・・」
【飛島】「それを飲むとヒューマナイズするわ。時間は数分。試してみる?」
【フィニット】「もち!」
するとフィニットは勢いよく飴をパクリ。次の瞬間、光に包まれたかと思うと、人間になっていた。
【フィニット】「うおおおっ、すげぇーっ!!!
飛島さん、アンタ、≪天才だ・・・!≫」
【クルセイド】(いや、実際に研究したのは飛島さんじゃないと思うけど)
「どれどれ・・・?」
クルセイドも飴を飲み、ヒューマナイズ。人間が3人、並ぶ。
【飛島】「・・・どう?」
【クルセイド】「やっと飛島さんの言ってることが嘘じゃないって納得できました・・・」
【飛島】「そう、それはありがたいわね。」
【フィニット】「折角だから何かやってみてぇな・・・チャオじゃできねぇこと・・・」
と、フィニットが何かいいものはないかと探す。そこに、あった。
【フィニット】「これだっ!≪貯金箱粉砕≫!!」
そこにあったのは、空っぽのブタの貯金箱。思いっきり殴ると、粉々に砕けた。
【クルセイド】「すげぇ・・・」
【フィニット】「よし!この勢いで≪紙で撲殺≫!」
【クルセイド】「いや無理!っつーか殺すな!」
・・・と、コントが終わったところで、ヒューマナイズ終了。2匹はチャオに戻っていた。
【飛島】「・・・それじゃ、今からジャッゴ撃退作戦の説明をするわね。作戦決行は今から2週間後よ。
私たちがヒューマナイズするチャオ・チャオナイズする人間をスカウトして集めて、対ジャッゴ部隊を設立するわ。指揮も私がとる。」
【フィニット】「んで俺たちはこの能力で大暴れすりゃいいって算段か。」
【飛島】「ええ。ただしこの技術はまだ極秘事項だから、ジャッゴからの避難という名目で2週間以内に一般市民はエターニアから退避させるの。」
【クルセイド】「なるほど・・・他人の目を気にする必要はない、か。」
【フィニット】「そういえば、部隊名って決まってるのか?」
【飛島】「いいえ、まだだけど?」
【フィニット】「それじゃ俺にいい考えがある!名付けて『週チャオを大いに盛り上げるためのスマ○シュの団』だっ!!」
【クルセイド】「二重にパクリじゃねーかよ!」
【フィニット】「ただのチャオには興味ありません!宇宙人・未来人・超能りょk」
【クルセイド】「いい加減にしろっ!」
【フィニット】「やっぱダメか・・・シンプルにいかないとな。
んじゃ、『ホスト部』ってのはどうだ?」
【クルセイド】「ハル○違いっ!?」
【フィニット】「そのためにはまず女の子を部員にして、≪いわゆるオナベ≫状態にして・・・」
【クルセイド】「却下!」
【飛島】(・・・いや、却下するかどうかは私が決めるんだけど・・・私でも却下かな)
と、飛島はその漫才をクスリと笑いながら見ていた。
そして、2週間後。
この間にエターニアの地上はジャッゴに侵略され、ジャッゴの巣窟と化していた。
幸い一般市民の避難は素早く完了し、今のところ犠牲者は出ていない。
結局部隊名は『ジャッゴバスターズ』に決まり、集まった人間及びチャオは約1000名。
彼らはエターニア地下のSONIC本部に結集していた。
<その4に続く>