ラジオ企画verスマッシュ「てめえらのポヨは何色だー!」
とあるところに秋田小町という子がいました。
とあるところとは鳳凰チャオ躍進委員会ゼミナールというところでした。
そこに犬がやってきました。
「小町さん小町さんへきびだんごをくださいな。その代わりに鬼退治のお供をしましょう」
「いや、これ昔話じゃないから」
登場する舞台を間違えた犬を秋田小町は外へ帰しました。
それとは関係ないのですけれども、秋田小町の傍に発芽玄米がやってきました。
そして発芽玄米はこう言ったのです。
「発芽玄米には秋田小町というたった1人の友人がいました。彼女もまた米でした」
「知りませんよ」
「そんな冷たいこと言うなよ!」
「絶交します」
「酷いっ!!」
発芽玄米は泣き伏しました。
秋田小町はそれを無視して女性の友人に話しかけました。
「ポヨの話をしましょう」
「そうですね。どんなポヨの話をしましょうか」
その女性は快く秋田小町の提案を受け入れました。
「チャオのポヨは色があります。色自体にまるで表情があるようですね。べ、別にあなたのために変えているわけじゃないんだからね、みたいな」
「んなわけないでしょう」
秋田小町はおかしなことを言う女性にどん引きしました。
これと話していたらいけない、そう秋田小町は思いました。
類は友を呼ぶという言葉があります。
しかし実際は友としている間に同類になってしまうだけなのだ。
なので同類にならないために秋田小町は離れることにした。
普通であるために。
今日を普通の自分で生きるために。
明日を普通の自分で生きるために。
今週の日曜日を普通の自分のまま迎えるために。
来週の月曜日に諸々のことを普通の自分のままで反省するために。
自分が普通のままであるために。
自分の友人が普通の友人であるために。
そう――
「昔チャオという生物がいた。だが、彼らは常に危険にさらされていた。彼らのポヨが浮いているのがその原因だ。世界中のマジシャン、とりわけミスターマリックは彼らのせいで自分のマジックが茶番と扱われてしまったのだ。ミスターマリックはポヨの中の水分を一気に抜きとるマジックを開発し、刻一刻とチャオを消し去っていたのだ」
「全く関係ないことを言わないでください」
発芽玄米再来。
「あきたこまち、そこのツンツンしている所はなにかな?」
「あぁっ、そこ、芽の部分なのっ、ら、らめぇぇぇぇぇ」
「ふっふっふ、芽なのか。通りで元気にぴくぴくしているわけだ」
「ひぅっ、いっ、嫌ぁ……」
「全然嫌そうに見えないな?ん?」
「だ、だめっ……。もう、やめ、て」
「あ~?聞こえないなあ~?」
「オチがつかないからやめてください」
「はい、すみませんでした」