第28話「悲しみの・・・」

あらすじ なんと、スリーエス部隊が町を襲撃するらしい!


サード「じゃあ、あばよ!」

アルバート「ま、待て!」

そのとき、周りからほんの少し声ががしてくる。

アルバート「くそ、少し近づいてきたか・・・。おい、ミール!」

アルバートがミールのほうを見ると、ミールは座り込んで、うつむいている。
さっきの目でショックを受けているようだ。

アルバート「おい!」

アルバートは大声で叫ぶ。

ミール「え、あ、な、何があったの?」

ミールは声に気づき、現状を知ろうとする。

アルバート「まもなくグラージ・ソウル(GS)がこの町を襲う、早く準備するのだ!」

ミール「う、うん!」

ミツバ「ま、待て・・・。」

とつぜん、ミツバが話しかける。

アルバート「み、ミツバ師匠・・・。」

ミツバ「今のままじゃ、奴らには勝てない・・・。」

アルバート「それでも、僕たちには戦うしか・・・。」

ミツバ「ま、まあ・・・待て・・・。そのためにお前に契約をせねばならぬ。」

アルバート「契約・・・とは?」

ミツバ「『技術転生の契約(スキル・トランス)』だ・・・。」

アルバート「スキル・トランス?」

ミツバ「自分の技を相手に託す契約だ。本当は普通に教えるつもりだったが、時間がない。それで十戦士を倒せ。いいな。」

アルバート「・・・・はい。」

ミツバは手をいろいろと動かす。
そして、アルバートの体に手を近づけた。

ミツバ「スキル・トランス!」

その瞬間、アルバートの体が光りだした。
そして、光が消えた。

アルバート「・・・。」

ミツバ「成功・・・したようだな・・・。」

そのまま、ミツバは倒れる。

ミール「ミツバさん!」

ミツバ「大丈夫だ・・・。これも、契約の影響・・・。まもなく、私の命は尽きるだろう・・・。」

そういうと、ミツバの周りにまゆができ始める。

アルバート「なんだって!?」

ミツバ「どうやら、あのサードには不思議な力があるらしく、私の命を吸い尽くしたのだ・・・。」

ミール「そ、そんな・・・。」

ミツバ「だが、彼を倒せばその命は戻るらしい・・・。」

アルバート「わかりました。絶対に倒します。」

そして、どんどんまゆの色が濃くなる。その色は彼らの悲しみを象徴するかのような灰色だ。

ミツバ「無理をするなよ・・・。ミール、ゲート君、そして愛する弟子、アルバートよ・・・。」

そして、ミツバは消えていった・・・。

ミール「ミツバさん!」

ミールは涙顔で叫ぶ。

アルバート「・・・。くそ!」

アルバートはひたすら床のタタミを殴る。
そのときのアルバートには涙が流れていた。

アルバート「ミール、倒れているゲートをつれて、西に向かうぞ、GSを迎え撃つ!」

アルバートは大きく叫ぶ。

ミール「うん!」

ミールはまだ涙が出ているが、それでも返事をする。

アルバート「よし、いくか。」

アルバートはさっきから倒れているゲートを抱え、歩き始める。


と、場所を移して、平原。
夜にもかかわらず、ここでは約50人のチャオが歩いている。
と、その真ん中にいるスイカをかぶった大賞が手下に話しかける。

???「到着まーで、いーつだ?」

手下「はい、後15分です。『スリーエス』様」

スリーエス「そーか、よーし、まーもなく突撃だー!」

手下たち「おー!」


続いて、宿屋の前。
アルバートとミールがたっている。
ゲートはまだ気を失っている。
そのため、町で借りたチャオサイズのリアカーに乗せている。

アルバート「準備はできたな?」

ミール「モチや!」

アルバート「行くぞ!」

二人は走り出す。


そして、無事GSのところにたどり着いた。
目の前には殺気立ったGSのチャオがたくさんいる。
スリーエスが二人に話しかける。

スリーエス「お前らがターゲットかー。何をしーに来た?」

アルバート「お前を倒すために来た。」

これより、夜の戦いが始まる!

つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第139号
ページ番号
29 / 62
この作品について
タイトル
星の門の物語
作者
しぐま
初回掲載
週刊チャオ第130号
最終掲載
週刊チャオ第184号
連載期間
約1年28日