第7話「ゲートとアルバート」

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ゲート「何めんどくさい事させる。」


少女が消えた後、ゲートはベッドの上にいた。
時は夜中。誰もおきていない。

ゲート「あれ?さっきまで森の中だったのに・・・。」

『そのとき・・・彼は・・・絶対に・・・赤い宝石を持っています・・・それを・・・空にかざしてください。』

ゲート「はあ、オレはどうすればよいんだ・・・。」

この夜、ゲートはずっと考え込んでいた。



そして、メラルタウンにまた朝がやってきた。
今日も、たくさんのチャオが町を歩く。
仕事をしに行く者、幼稚園に行く者、遊びに行く者、まさに十人十色である。
そんな中、大きいリュックを背負い、赤い宝石を首にぶら下げ、町を出ようとするものがいた。
アルバート・ルビーである。

アルバート「・・・この町ともお別れか・・・。」

そうつぶやきつつ、アルバートは出口へ歩き出した。

「まて!」

そこに大きな声が響いた。
ゲートである。

アルバート「ゲート・・・。」

ゲート「2年前・・・。あの時お前はこうやってみんなを引き止めてたな。」

アルバート「まあ、そうなるな。」

ゲート「そして、オレを助けていた。」

アルバート「おいおい、なぜ昔の事を引っ張り出す。」

ゲート「迷惑かけたな。そして、これからも。」

アルバート「な?」

ゲート「アル。ちょっと借りるよ!」

ゲートはアルバートの首から宝石をブチン!ととった。

アルバート「お、おい、ゲート!何をする!?」

ゲート「悪いな!」

ゲートは宝石を空にかざした。

そして・・・、宝石がものすごい輝きを放った。

ゲート「え?なんだ?まぶしい!」

アルバート「な、なんだ、この汚れ(けがれ)のない真っ白な光は!?く、目が!」

そして、町が光に包まれ、町中のすべてのチャオが気を失った。

10分後・・・

ゲートとアルバートは気を取り戻した。
町のチャオもどんどん起き上がっていた。

ゲート「はあ、はあ・・・。」

アルバート「な、何だったのだ。今の光は・・・。」

二人は荒い息をしながら今の状況を把握する。

ゲート「ん?なんだ?あの空にあるのは。」

空には何かの物体が浮いていた。

アルバート「・・・あ、あれは、剣だ・・・。」

ゲート「け、剣!?」

よく見ると、たしかに剣である。
そして、ゆっくりと下へ降りていった。

その剣はとても清らかな波動を放ち、闇を寄せ付けない感じがした。

ゲート「なんで、こんなのが・・・」

アルバート「お、おい。見るんだ。」

ゲート「え?なんだ?」

アルバート「この剣・・・『フレイム・ストーン』がはまっている・・・」

ゲート「フレイム・ストーン?なんだ、それ。」

アルバート「知らなかったのか?さっきお前が空にかざした宝石なんだぞ。」

よく見ると、確かにさっきゲートがかざした赤い宝石だった。

アルバート「これはな、ルビー家に代々伝わるルビーでな、一番下の代は必ず持っていないとダメなんだ。」

ゲート「そういえば、オレと旅行に行くときも持ってたな。それ。」

アルバート「そして、今回。それぞれの子孫も、こういうのを持ってるらしいんだ。」

ゲート「なるほどねえ。じゃあ、この剣は何なんだ?」

アルバート「実は僕にもわからない。だが、ほかに7つ宝石をセットできるようになっているようだ。」

ゲート「ということは・・・、他のも同じようにすればよいということか。」

アルバート「そうなるな。」

ゲート「よし、この剣はオレがもらう。」

アルバート「お、おい。なんに使う気だ?」

ゲート「もちろん、これからの冒険のためだ。」

アルバート「なに?」

アルバートは驚いた。

ゲート「アル・・・。やっぱり、お前だけ行かせるわけには行かないよ・・・。お前を手伝いたいんだ・・・。」

アルバート「げ、ゲート・・・お前・・・。」

ゲート「いやと言ってもついていくぞ。絶対に。」

それをきいて、アルバートはゲートに背を向け、こういった。

アルバート「・・・しかたがない。勝手について来い!」

ゲート「ああ・・・、ありがとよ!」

ゲートはこのとき、アルバートの目から一粒の水玉が落ちたのを見た。
でも、彼はそれに対して何も言わなかった。


続く!

このページについて
掲載号
週刊チャオ第133号
ページ番号
8 / 62
この作品について
タイトル
星の門の物語
作者
しぐま
初回掲載
週刊チャオ第130号
最終掲載
週刊チャオ第184号
連載期間
約1年28日