第二夜 チャチャの記憶
「チャチャ、あなたに伝えなければいけないことがあるの・・・」
彩花は、深刻な表情で言った。
チャチャは、ポヨを?マークにしながら聞いた。
「何チャオ?かしこまっちゃってチャオ・・・」
「チャチャは、隕石から出てくる前の記憶がまったくないのね?」
「そうチャオ~、まったくないんだチャオ~・・・」
「何か、覚えてることってないの?」
「僕、ながーい、ながーい夢をみてたチャオ・・・。」
「(今は、このこに自分が死んだという事実を話さないほうがいいのかもしれない)」
「彩花~、話って何チャオ?もう、待ちくたびれたチャオ~・・・」
チャチャは、いらだったように足で床をたたく。
「あっ、そ、そうだったっけ?・・・チャチャ、見た夢のこと、話してくれない?」
彩花は、ごまかすように言った。
「僕は、気がついたら校門の前にいたチャオ。そこがどこだったか、チャチャは覚えてないチャオ。チャチャは、そこに行かなきゃならない気がして、入っていったチャオ。僕は一年生だったチャオ。そこでの授業は、『お家への帰り方』が一番多かったチャオ。そこで習ったことは忘れちゃったチャオけど、何か、すっごく大事なことだったのは覚えてるチャ
オ。」
チャチャは、そこで一旦一息つくと、また話し始めた。
「気がついたら、チャチャは卒業式を迎えてたチャオ。卒業式が終わったら、何かの乗り物みたいなのに乗ったチャオ・・・」
「そして、気がついたらここにいた、って訳ね。」
「ん、まぁ、そんなとこチャオ。」
「(きっと、そこは人間で言う、天国だったのね。でも、どうしてチャチャは記憶があるまま戻ってきたんだろう。)」
そのとき、玄関のベルがなった。
「はぁ~い・・・」
チャチャも、後ろからついてきた。
彩花がドアを開けると、そこには黒尽くめの男が五人立っていた。
彩花は、ビックリしながらも、力強い口調で言った。
「ど、どちら様ですか。」
「そのチャオはついさっきここに帰ってきたチャオじゃないかね?」
「だったらなんなんですか?」
「そのチャオを渡してもらおう!」