2 特別編 ~記憶の輪舞曲 1~

1本の木。私はただ、そこによっかかるだけでよかった。




~記憶の輪舞曲 「一寸先は闇。それを求めた幼き子」~









リム「・・・あれ?ここって・・・。」

私がいるのは、広い広い草原。ただ1本の木があっただけ。その1本の木に、どこか似通った、小さい、私の姿がありました。

リム「・・・懐かしい・・・。」

私も、そこに行こうとした所で、幼い頃の私が今の私に気づいて、逃げ出しました。

リム「あ・・・。」

追いかけようという気が、目の前の木にさえぎられて、そこによっかかってみました。とても懐かしくて、その懐かしさが頭の中にポゥっと出てきて・・・。

リム「・・・ちょっと探して来ましょうか・・・。」

その口から出た言葉に3分程逆らって、その場から離れました。
付いたのは、今は静かな都会。さっきの場所の明るさとは裏腹に暗い場所。
・・・こんな場所、私だったら好まない場所です。でも、逃げるならこういう場所がいいかなっと・・・。

・・・あれ?こんな事、誰から教わったんでしょうか・・・。

その疑問を抱えながら見つけたのは、幼い私と2、3歳程年上の黒いチャオ。気になって隠れながら話を聞いていました。

???「・・・こういう所は、見つかりにくいから、隠れるなどにいい。早く行け、追ってくる奴が来るぞ。」

幼い私は礼も言わず、さっさと行ってしまいました。

???「・・・追うなら今だ。見つからなくなるぞ?」

リム「え・・・。」

???「早く行け。」

リム「は、はい、どうも・・・。」

気のせいなのか、その黒いチャオから殺気が感じました。どうかこれが気のせいであるように、と軽く願いました。




リム「あ・・・。」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第203号
ページ番号
28 / 31
この作品について
タイトル
人とチャオと
作者
冬木野(冬きゅん,カズ,ソニカズ)
初回掲載
週刊チャオ第193号
最終掲載
週刊チャオ第205号
連載期間
約2ヵ月26日