2 ~第三話~ 

誰もいない。かなり静かだ。・・・だが気配を感じる。
???「こっちだ。」
声をかけたのはあいつだった。


~第三話 「記憶に無い血の繋がり」~





ゼロ「・・・話って何だ?」

俺はフットに呼ばれ、学校の正門にいた。
いったい何なんだ。やっぱり怪しい。

フット「・・・俺のことを覚えてるか?」

ゼロ「は?」

何の事だ?まだ初対面レベルだろ。こいつ感覚が狂ってるのか?
そう思ったが口にしなかった。何か怖そうだし・・・

フット「・・・兄はどこにいる。」

ゼロ「兄弟すらいねーっつの。」

俺は、こいつ絶対狂ってるなと思った。それとも何か?俺をからかってるのか?
そんな事しか頭に浮かばなかった。

フット「・・・久しぶりだな、俺の弟、ゼロ。」

ゼロ「え・・・?」

俺の頭には疑いしか浮かばなかった。
それどころか、何も考えられなかった。

フット「・・・覚えてないのも無理無い。お前が転生する前の事だ。」

ゼロ「!」

フット「何があって覚えてないか、教えてくれ。」

この時どうするか迷った。話すべきか、言わないべきか。
こいつは本当に俺の兄なのか、偽りかも迷った。
俺は追い込まれた。どれかを選ばないといけない。
―もし一歩間違えれば・・・―

???「おや、お揃いで・・・」

ゼロ・フット「誰だ!」

???「そちらの青いのは大体見当は付く筈でしょうね・・・」

ゼロ「!!!」

???「分かったかな?」

ゼロ「・・・なんで・・・ここに・・・いるんだよ・・・」

フット「なんだ?どうした!?」

ゼロ「こいつかな・・・俺を・・・記憶ごと・・・殺したってのは・・・」

フット「!」

俺は信じられない光景を見てしまった。
現れたのは「ダークカオス」だった。

アーク「名前はアークです・・・おっと・・・後ろにいる子はだれか知ってますかね?」

ゼロ「リ・・・リム!」

フット「なに!」

リム「ゼロさん!」

圧倒的不利だった。あいつは俺を殺した張本人だ。
オマケに人質がいるのでうかつにてを出せない。また殺されるのがオチだ。

アーク「僕は優しいからね・・・「鬼ごっこ」に勝ったらこの子をあげよう・・・」

そう言うとアークは一瞬の内に消えた。もう終わりだ。

フット「行くぞ。」

ゼロ「無理に決まってんだろ!!!・・・ちくしょー!!!」

フット「走るぞ。」

そう言うとさっさと走っていってしまった。
やれるだけやってみようと走った。
ドンドンペースが上がっていく。
―・・・なんだ?この速さ・・・―
何故かチャオになんか出せないペースで走っていた。

フット「このまま行くぞ!」

ブースト状態のように一気に速くなった。何なんだ?俺はどうなってるんだ?

フット「使い方でも忘れた顔だな。いいか。
お前の体の中から風を出す。これがお前の風の力だぞ。」

―なるほど・・・だから・・・―
そんな事を考えながら、リムとアークを見つけた。

リム「ゼロさーん!」

アーク「おやおや。もう来てしまいましたか。」

ゼロ「うおおおおおおおおお!!!」

俺はアークに突進した。と思ったら奴が消えた。
そこに残されたのはリムだけだ。

アーク「またどこかで会いましょう・・・」

ゼロ「・・・少なくとも・・・俺は会いたくなくなってきたよ・・・」

だが奴とは因縁の決着をつけなければならない。
そう言う事で今まで旅をしたんだ。

ゼロ「大丈夫か、リム。何があった。」

リム「・・・分かりません。・・・ボソっと聞こえたのは・・・兄弟がどうのこうのって・・・」

ゼロ「・・・どうやらお前もターゲットらしいな・・・」

フット「ああ・・・」

続く・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第195号
ページ番号
16 / 31
この作品について
タイトル
人とチャオと
作者
冬木野(冬きゅん,カズ,ソニカズ)
初回掲載
週刊チャオ第193号
最終掲載
週刊チャオ第205号
連載期間
約2ヵ月26日