【朝食の30分間戦争】
岩淵家。
朝食は基本的に日にちで作る順番を決めていない。
早く起きた方が作るというルールだからである。
しかし、京介は肉。陽菜は野菜と両極端なため、
その朝食ではいつも戦争(むしろ冷戦)が起こる。
【陽菜side】
「ん…」
目覚まし時計が10個なる。
こうでもしないと私は起きることが出来ない。
朝は…歯を磨いて、顔を洗って、髪の毛とかして、朝食…。
朝食!?
「兄貴!まさか起きていないだろうな!」
私は思いきり隣の兄貴の部屋をばっと開ける。
すると、そこにはテレビを見ている彼…兄貴がいた。
「あら、起きてたの?」
「まぁ、な。」
「朝食は?」「作ってない。」
「あ、良かった…じゃあ、陽菜が…。」
「いや、それは大丈夫。」
「はい?」
「コンビニで、ちゃんとオマエの分の飯買って置いたから。」
「何買ったの…?」
「からあげクン。」
【京介side】
俺は机にからあげクンを置いてあることだけを伝えて、
またテレビに目を向ける。
今日は朝の5時に起きてしまった。
いや、こうでもしないと、朝から野菜だけなんて、嫌だ。
しかし、陽菜には気にくわない部分があるらしい。
俺がからあげクンと言った瞬間、
陽菜の周りの空気が熱吸収したかのように涼しくなる。
「どうした?なにがイケナイ?」
「何がってゆーか……
局部的に、じゃなくて、全体的に最悪だっての!!」
「おいおい、210円もしたんだぞ。」
「なら最初からもっと安いのを買えばいいじゃん!
野菜サラダAなら一つ163円(税込み)なのに!」
「むー。…でも、陽菜、好き嫌いはダメだよな。」
「アンタにだけは言われたくないわ…。」
【陽菜side】
コンビニに行ったならせめて私の分だけでも野菜を買って欲しい。
まぁ、…
…兄貴にそう言ったって無駄だろうけどさぁ…。
「で、ドレッシングとか買ってきてくれた?」
(↑結局、野菜サラダを自分で作っている)
「あぁ、買ってない。
悪いな、ドレッシングはさすがに肉系はなかったから。」
「いや!陽菜の場合普通に胡麻とかで良いから!
つーか、肉から離れろ!」
「むー…んなこといったって、チャオかって肉食べるぞ。」
「…チャオ?なにそれ。」
「某ゲームのキャラクター。」
「へぇ…何の肉を食べたりするの?」
「んー、クマとかクジャクとかラッコとかドラゴンとか…。」
(↑おそらくキャプチャーのことを言っている。)
「…豪勢ね。(…ドラゴン?)」
私は1人テーブルに座って、
仕方なくマヨ(カロリー半分の奴)をかけ、サラダをフォークで取る。
結局、兄貴が起きると二度手間になってしまうんだよなぁ…。
(別のある日…)
【京介side】
「ふう…」
目覚まし時計が30個なる。
こうでもしないと俺は起きることが出来ない。
朝は…歯を磨いて、顔を洗って、髪の毛とかして、朝食…。
朝食!?
「陽菜!まさか起きていないだろうな!」
俺は思いきり隣の陽菜の部屋をばっと開ける。
すると、そこにはテレビを見ている彼女…陽菜がいた。
「あら、起きてたの?」
「まぁ、な。」
「朝食は?」「作ってない。てか、今起きたばかりだってば。」
「そだね、確かさっき、けたたましい音が響いていたし。」
兄貴の朝食はもう用意してるから。」
「…お品書きを口頭で言ってくれ。」「は、はい?」
「何を作った買ってコトだよ。」
「あぁ、なるほどね…。」
「えっと、…レタスサンド。(※ハム無し)」
かくして、仲は悪いが、
人間性はまさしく兄妹そのものでありましたとさ。