ライトカオス記念読みきり「光」の続きの続き

光輝はそう諦めて、帰路に着いた時、シャインと初めて会った、空き地が目に入った・・・。

俺は空き地に入っていった。
「シャイン!いるのか?シャイン!いないのか!?」
返事は無い。
その時、空き地の隅に繭を見つけた・・・。
「シャインなのか?シャインだな!」
直感的にシャインだとわかった。
しかし、やはり返事は無い・・・。
・・・そして繭が透明に透けていく・・・。
透ける繭にシャインの姿はなかった。
「うっ・・・うわぁぁぁぁぁぁ」
光輝は溢れる涙を堪えることは出来なかった。

その時、直接、頭に聞こえてくる声が聞こえた。

『ココハドコ・・・?』
『クライ・・・ヤミノナカ?』
『ボクハココニイルノ?』
『イタイ・・・』

「何だ・・・?シャインなのか?」

『ドコ・・・?クラクテミエナイ・・・、ナニモキコエナイ・・・、イタイ、ホホヲツネラナイデ・・・。』

ボクはそこにいた、何も無い空き地・・・、一人、記憶が無くて、ただただ寂しかった・・・。

一人で震えていると、一人の少年が、近づいてきた・・・。
「何コイツ?」
ボクは嬉しかった、人に会えたこと、ただその事が嬉しかった。だから近づいた
でもいきなり、つねられた、ボクは悲しくなって泣いてしまった。
でも少年はそんなボクを見てすぐ、つねるのをやめた。
ボクはそんな少年をパンチした、凄く悲しかったからだ。
「イテェ!この野郎っ!」
またつねってきた、痛かったので凄く泣き叫んだ。
すると止めてくれた。ボクは不満げに鳴いた。
そうしたら撫でてくれた。
暖かい・・・。凄く・・・。温もりを感じた・・・。
そんな温もりもすぐに離れた。
「おれ、帰らなくちゃ!じゃあな!」
少年はボクの前から離れて、駆けていった。
すぐに姿が消えた。
また寂しくなった、その後のことはわからない、色んな人に育ててもらった気がする・・・。
でも覚えていなかった・・・。
そして唯一覚えていた、少年の温もり。
また会いたいと思った・・・。

そして、何をしていたかわからないボクはまた見覚えのある空き地にいた。
体が痛かった何故だかわからない。心も痛い気がした。
すると背の高い男の子が走って行った。
と思ったら戻ってきた。
ボクは何故か怖くなって逃げた。
でも、追いかけてくる。逃げる、追われる・・・。
疲れて逃げるスピードが落ちたボクは抱き上げられた。
すると昔に感じたことのある温もりを感じた・・・。
ボクは感じた昔の少年と同じ温もりを。
ボクは思った、この人はあの少年なんだなと。
すると何かを話しかけられていたが、わからなかった。
でもこれだけはわかった
「そうだお前、家に来ないか?」
ボクは手を挙げて頷いた。

僕を拾ってくれてありがとう

それからは幸せだった、光輝、敏輝、お母さん、お父さんがいる
幸せで暖かかった。
でもその、幸せで暖かい日々は長くは続かなかった。
僕は眠らないといけない。
だから散歩に帰った後、光輝が寝たときに僕は空き地に向かった。
始まった場所、そしてこれから僕が眠る場所。
そして僕は繭に入った。すると光輝の声が聞こえた。

「シャイン!いるのか?シャイン!いないのか!?」
いるよ、ここにいるよ。
「シャインなのか?シャインだな!」
そうだよ、君に貰った大切な名前のシャインだよ。
「うっ・・・うわぁぁぁぁぁぁ」
泣かないで・・・。
光輝が泣いたら僕は眠れなくなるよ・・・。
ねむれなく・・・。
ねむれ、なく、なるよ・・・。
なかないで・・・。

光輝・・・。
僕は・・・。
ねむりたくない・・・。
眠りたくない・・・。
眠りたくないよ!
もっと光輝といたい!
皆といたい!
ミンナトイタイ・・・。
皆といたいよ・・・。

このページについて
掲載号
週刊チャオ ライトカオス記念号
ページ番号
3 / 4
この作品について
タイトル
ライトカオス記念読みきり「光」
作者
銀チャオ
初回掲載
週刊チャオ ライトカオス記念号