3話 組織崩壊計画

平和という理想 3話 組織崩壊計画

城から出て、数日後。今夜はジャングルで一晩を過ごすことになった。本当は今日中にジャングルから出られるはずだったのだが、猛獣と戦っているうちに夜になってしまったのだ。なので、仕方が無く木をある程度切り倒し、暮らせる環境を作ったのだ。

「さてと、明日か明後日には二回目の城での戦闘になる。もうそろそろ計画について話そう」
「おぉ?早く話してくれ」
と、シンギが急かす。シマは、計画の詳細を一度全部思い出してから話し出した。

「まず、組織は、全部の町を支配するために、城を支配する者がいなくなったら、別の所からチャオを呼び寄せ、支配させる」
「え?じゃあ、俺達が解放したところも今頃はまた支配されてんの?」
「その通りだ。だが、それを利用するんだ」
「え?」
シンギがとぼけた返事をする。シマは、その返事を気にせずに、続ける。

「つまりだ。どんどんそうやってチャオを基地周辺から遠ざけていき、最終的に基地近辺のチャオを減らしていく」
「なるほど!そうすることで、基地近辺を簡単に突破することができるのか!!」
シンギが立ち上がって言う。シマは頷き、話しを続ける。

「まぁ、そう考えているチャオは数え切れないほどいると言ってよい。そのため、ここ最近は誰もいない城が多い。次の所だって敵がいるとは限らない」
「えぇ~?その時はどうするのさ?」
「一時、基地に向かって進み、ある程度来たところで、また計画を再開する。つまり、自分らと同じことをしているチャオ達より先の所に行ってからやるということだ。そういうことだ。今日は寝るぞ」
と、シマが立ち上がり、たき火から少し離れたところで寝る。シンギも火から離れて寝た。


「かぁ~~。よく寝たぁ~~」
「寝過ぎだ。何3日も寝てるんだ」
「えぇぇぇ!?3日!?」
「うむ。3日」
シンギはそれを聞いて目を白くしてまた寝転がる。
「待てっ!寝るな!おいっおーいっ!?……寝やがった」

「あ~なんか寝過ぎたような気もするなぁ」
「寝過ぎだ。もう1週間」
「…ゴメン」
「ったく。とにかく行くぞ」


「着いた着いた。この城だな。まぁ、お前のせいで既に誰もいないだろうが」
「御免なさいゴメンナサイ」
城は全て形も色もほぼ同じで、趣味で城をつくったチャオの城と見間違えることはまずない。その城の前でシンギが必死に謝るが、シマはずっとシンギを睨んでいる。

「とにかく突入だ」
と、そっとドアを開ける。すると、広い部屋を気絶しているチャオが占領している。灰色のマユに包まれ始めるチャオもいる。
「は?おい、幸運だぞ。まだ大丈夫だ」
「え?本当!?」
シンギが喜ぶが、シマがまた睨む。そう、先に来ているチャオがいるのだ。二人は急いで階段を駆け上がる。

「ここもか」
「次!次!!」
その次もその次の階もいるのは気絶しているダークチャオ達のみ。そうしていくうちに最上階だった。最上階は、この前の城と対照的でとても広い。さらに、台座も横に広くなっている。

「ふぅ。弱かったな」
そこにいたのはナックルズチャオ。その少し奥にはチャオが倒れている。そして、ナックルズチャオは二人を睨んだ。

「まだいるのか。面倒だな」
「来るぞ」
「うん」
二人は武器を持ち、構える。一方ナックルズチャオは何も持たないで戦闘態勢に入った。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第124号
ページ番号
5 / 6
この作品について
タイトル
平和という理想
作者
スマッシュ
初回掲載
週刊チャオ第123号
最終掲載
週刊チャオ第125号
連載期間
約15日