発動まで残り1時間。

いつものように自分の高校の校門をくぐる。
最近、生徒会のクソどもが「挨拶運動」なんて、
小学校レベルのモノを始めたもんだから、
入り口には校長が立っている。はっきり言ってウザイ。
しかも、日傘で彼の顔が見えない。
それどころか、挨拶運動のくせに、挨拶もしねぇ。

ため息が俺の校長に対する挨拶だった。

教室は暗い。まだクラスメイトが一人も来ていないわけだ。
俺が一番最初というわけだ。なんかいやな気分だ。
まぁ、俺が最初に来る理由も分かる。
たぶん、みんなはチャオのお散歩をしているのだろう。

そう、最近チャオがはやっている。
この学校でもチャオははやりにはやっていた。
そして、最近は知能を持つチャオも登場し始めていた。

とは言っても俺はチャオを買ってはいない。
まぁ、あんなのはウザイだけだと思うし、嫌いだ。

と、又ほかのモノの愚痴を始めようとしたとき、
がらがらと教室の扉が開いた。
入ってきたのは、同じクラスメートのサヤカだった。
校内では結構有名な小さくてかわいいモテル奴らしい。

―よー君、また一番乗り?チャオ買えばいいのに。
―うるせぇよ。第一何でおめぇチャオ持ってきてるんだよ。
―えぇ~?悪いのかわいいコなのに~。
―・・・はぁ、俺はかわいい属性は嫌いなんだ。

サヤカは少し無表情だったが、すぐに笑みを浮かべ、
チャオを自分の鞄にしまって又こっちに来た。
実に転換の良い奴だ。こういう奴がモテルのかな。
俺はそんなことを考えていた。

しばらく二人で雑談をかわしたあと、
俺はトイレに行こうと(実は雑談から逃れようと)、
教室のドアを開けた瞬間だった。

発動まで残り0。

学校のどこかで大きな爆発音があり、
何かが入っていくのが分かった。
サヤカはぽかんとしていたが、やがて彼女の第六感に、
何かが刺激を加えたのか、大声で悲鳴を上げた。

俺はサヤカを引っ張り、カーテンの後ろに隠れた。
俺は一応女の子を隣に密着させていることと、
迫り来る「何か」に対し、二重の緊張を覚えた。

そして、俺たちの教室にもがらがらと誰かが入ってきた。
俺はカーテンからばれないようにちらっと見る。

俺は驚愕した。

当然かもしれない。そこにいたのは武装したチャオだったからだ。

しかし、それでも銃を持っている。
俺たちがするべきことはただ一つ。

どうやってここから逃げようか?

このページについて
掲載号
週刊チャオ第238号
ページ番号
1 / 5
この作品について
タイトル
get out from the school-
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第238号