『雪の宴』2

結果は、メルトさんが一番大きくて、ピューマさんが一番小さかった。
ピューマさんが雪埋めにされると思いきや・・・。


フィル「ピューマだから、雪埋めしなくていいや。」


俺狙いなのがすっごく伝わってきた。
なんという罠だ・・・。


フィル「次は・・・。」
ジェイド「まだするつもりかよ。」
フィル「あたりまえじゃない。」
ピューマ「やりましょうー。」


もうどうにでもなれ。


次は雪合戦になった。
どうやったら勝ちなのかが分からなかったから・・・。


メルト「時間内に、何回誰かに当てた数で競えばよいではないでしょうか。」


という意見でこうなった。
カウントは相手に当てたら、相手からトランプを与えるということになっていた。
つまり、みんなトランプを持っていた。
メルトさんが大量にもっていたため、一人100枚持っている。
それぞれ色も違うため、いんちきはできない・・・よくできたルールだな・・・。


そして今俺は、相手から隠れている。
庭全体が範囲なため、隠れる所は沢山ある・・・どこからくるのかも分からない。
一番注意すべき相手がフィルだ。
あいつは、ずるがしこい上に空を素早く飛ぶため、こっちの攻撃があたる可能性は少ない。
俺は脚は素早いから多少は避けれるだろうが・・・あっちよりも当たる確率は大きいだろう。

メルトさんも注意が必要である。
こっちに攻撃してくる可能性は低いが、無いとは限らない。
メルトさんの能力は、チャオの域を超えているから、まず勝てないだろう。
見つかったら即逃げたい・・・が、メルトさんは雪だまを飛ばせば絶対あたってしまうだろう・・・普段からこういう攻撃が得意なため、逃げられないだろう。

ピューマさんは逆にこっちが反撃できるだろう。
ピューマさんすまん。俺は容赦しない。負けたらひとたまりも無い。


隠れているうちに、ある物の存在に気がついた。
雪のドームみたいなのが、ぽつんとあったのだ。かまくらである。

・・・罠だろうか。でもさっき始めたばっかりでかまくらが作れると思えない。


俺はまわりを見渡して、誰もいないことを確かめると、一目散にかまくらにむかって走り、中を覗いた。
そこには・・・・・。


ヴァン「ん?ジェイドじゃんーやっほー。」


ゆったりとくつろいでいるヴァンがいた。


ジェイド「ヴァンさん!?」
ヴァン「私のことは呼び捨てでいいよー。」
ジェイド「あ、いや。なんかさん付けになってしまって・・・てか、なんでかまくらの中にいるんだ!?」
ヴァン「あぁ、今さっききて作ったんだよ。外は寒いからねー。だけど外にいたいという俺の考えでこうなったわけ。」


なにを考えているんだろうこいつは・・・。

ヴァンは、元からおかしいチャオである。
チャオなのに、何故か薄めてもいないお酒をいつも飲んでいるし、男か女か分からないし・・・もっともチャオには性別は存在しないわけだが、男か女かという感じが分からないとか、格闘に関してはすごい力を持っている。そして、何故かこの屋敷に遊びに来ている。


かまくらの中は、中央に焚き火があって、燃やすための薪や毛布も存在していた。


ジェイド「焚き火までして・・・これ溶けないのか?」
ヴァン「多少なら大丈夫。しかも私のつくる物は全て丈夫だから、簡単には崩れないよ。」


何故丈夫になるのかは分からなかったが、まぁどうでもいいだろう。


ヴァン「ところで、ジェイドはなにしていたんだ?」


その瞬間俺の背中に衝撃を感じた。

しまった・・・・・。

振り返ると・・・想像したとおり、一番の注意すべき人物フィルがいた。


フィル「一ポイント。トランプよこしなさい。」
ジェイド「・・・はぁ。結局こうなるのか。」
フィル「あんたは馬鹿だからよ。」
ジェイド「・・・もう返す言葉も無いな。」


そう言って、トランプ一枚。フィルに渡した。


ヴァン「なにしているのー?」
フィル「あら。あんたこんなとこにいたんだ。」
ヴァン「ここだとあったかいし、お酒もおいしいし。」
フィル「あんたも雪合戦しない?」
ヴァン「おー!するする!たのしそー!」


こうして、また注意すべき人物が増えた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第339号
ページ番号
24 / 41
この作品について
タイトル
月光のメイド
作者
斬守(スーさん,斬首,キョーバ)
初回掲載
週刊チャオ第331号
最終掲載
2009年9月16日
連載期間
約1年1ヵ月20日