『雪の宴』3
俺はまた隠れていた。
現在の全員のポイントは分からないが、既に自分は12ポイント誰かに取られてしまった。
ちなみに自分の当てたポイントは4ポイント。
これはやばい・・・。負けてるかもしれない。
その時、目の前にヴァンが歩いていた。
相手は気づいていない・・・。
今がチャンス!!
そう思って、その場から飛び出て雪だまをヴァンに当てた!
よし、一ポイントゲット!
ヴァン「うわー。やられたー。」
ジェイド「トランプを一枚くださいね。」
こうして、一ポイント手に入れて、またどこかに隠れた。
こういう戦法で行かないと、他の人達に勝てない・・・運も必要である。
隠れていたら、目の前に少し遠くにヴァンがいた。
こっちにきたらまた当てるチャンス・・・。
そう思っていたら・・・ヴァンはいきなり手を雪に突っ込んだ。
そして・・・よく分かんないが直径4メートル?5メートル?そのくらいの大きさの雪だまを俺に向かって投げつけてきた!
常識的にありえねぇぞこれええええええええええええええええ!!
隠れていても駄目であった。
この大きさの雪玉を避けられるわけもなく、見事に当たってしまった。
ヴァンに取られて、また木の近くなんかに隠れていたのだが・・・。
どこからか分からない雪玉に当たってしまった。
ジェイド「どこからだ!?でてこい!!」
そう思って、回りを見渡していたら、約20メートル離れている場所から、メルトさんがいた。
メルトさんが少しづつ近づいてきて・・・。
メルト「私です。トランプを下さい。」
あそこから当てるとか・・・化け物か・・・。
そして、フィルにもあったわけだが・・・。
フィル「よっと、当たらないわねぇ。」
隠れて当てようとしても何故か避けられて、何度もカウンターを喰らってしまった。
ピューマさんについては隠れていて、何度か当てたのだが・・・。
当てる前に見つかってしまうと・・・。
ピューマ「私に当てないでえええええ!!」
とか言って、マシンガンのような雪玉が連射して飛んできて、ジ・エンド。
結局俺がビリになった・・・俺こんな役ばっか・・・。
そして、雪埋めにされた。
頭の部分だけ飛び出していて、体の部分は雪に埋まっていた。
凍え死ぬかと思った・・・。
そして、夜になった。
ジェイドとヴァンは家に帰って、ピューマとフィルは寝てしまった頃である。
メルトは風呂に入った後、屋上に向かった。
どうなっているか気になったからだ。
行ってみると・・・ジェネリクトがいた。
メルト「ジェネリクト。」
ジェネリクト「ん?あぁメルトか。」
屋上には雪は積もっていなかった。
少し溶けた雪の水が残っていたが、ジェネリクトはちゃんと仕事をしたらしい。
ジェネリクト「どうだった?今日のお嬢様の世話は?」
そうメルトに聞いてきた。
メルト「確かに今日は大変でした。」
ジェネリクト「だろうねぇ。あのお嬢様のことだから、沢山遊んだんだろうねぇ。」
朝の10時から、夕方の5時まで。
途中に昼食を入れて、今日フィルは遊んでいたのである。
フィルも疲れたのか、今日は早く寝ていた。
ジェネリクト「明日も大変かもよ?雪は降り始めたばっかりだからねぇ。」
メルト「確かに、掃除する時間も入れて忙しくなりそうです。」
ジェネリクト「大丈夫かい?」
ジェネリクトはメルトの心配をしていた。
この屋敷でもっとも働いているメルトが、これ以上疲れるようなことになれば大変そうだからだ。体にもよくない。
しかし、メルトはこう言い返した。
メルト「大丈夫ですよ。私はあの方々達の世話をするのが楽しいのですから。」
それが今のメルトの気持ちだった。
ジェネリクト「そうかい。」
と、ジェネリクトは一言言って、二人は空を見上げた。
星が綺麗であった。
第七話「雪の宴」 終わり