『ピューマの夢』3
メルト「では、ピューマさんお願いしますが・・・大丈夫ですか?」
ピューマ「はい!任せてください!」
メルト「しかし、かなりこの屋敷の庭は広いですが・・・。」
ピューマ「大丈夫です!何ヶ月かかっても綺麗にしてみせます!」
そういうと、ピューマは庭の掃除に行ってしまった。
そして、時は流れていった。
ピューマも屋敷に慣れていった。
フィルと遊び、メルトに世話をしてもらい、ジェネリクトに慰めてもらったり。
そんなことしている間に、8月になった。
そして庭は・・・・・。
フィル「・・・あんたやるわね。」
メルト「・・・・・。」
ピューマ「ありがとうございますー。」
そこにはとても広い庭に変わり、ピューマが植えた木々が少し地面から出ていて・・・。
屋敷の裏庭は・・・ひまわりが見渡す限り咲いていた。
メルト「さすがですね・・・私にはできないです。」
フィル「彼女は専門家よ。メイドが勝てるわけ無いじゃない。」
ピューマ「でも、屋敷の掃除は料理なんかは、メルトさんの方が上手ですー。」
フィル「そのとおりよ。メルトはそっちに関してはプロなんだから。」
メルト「・・・ありがとうございます。」
こうして、この屋敷の庭は美しくなっていった・・・。
ピューマ「という感じですー。」
ジェイド「へぇ・・・あのフィルがまさかそんなこというとは・・・。」
正直、俺は驚いていた。
フィルがそんなことをいって、人を雇うとは思ってもいなかったからだ。
ピューマ「今でもなんで雇われたか分かりませんが・・・それでも今は幸せですからいいです!」
ジェイド「まぁ、そうですね。」
フィルの事は、ピューマさんの幸せそうな顔を見ていたらどうでもよくなった。
マジでかわいい。
ピューマ「この庭も世界一美しくなれるでしょうか・・・。」
ジェイド「チャオの森では既に世界一綺麗でしょうね。きっとなれますよ。」
ピューマ「そういってもらえるとうれしいですー。それが私の夢ですからー。」
世界一綺麗な庭にする・・・・・それがピューマさんの夢であった。
俺にとってはそれはすでに叶っていると思ったが、言わないことにした・・・。
フィルとメルト屋敷の散歩をしていた。
そして、フィルがいきなり止まった。
メルト「お嬢様?」
フィル「ねぇ覚えてる?ピューマが来た時、私の言ったこと。」
メルトは忘れるはずも無かった。
メルト「はい。」
フィル「あの時はあんなこといったけど・・・。」
フィル「今は寂しくない。いつもありがとう・・・メルト。」
そういって、フィルは歩き始めた。
メルトはしばらくその場に立ち止まっていた。
それはメルトにとって珍しい気持ちだったのであった。
第六話「ピューマの夢」 終わり