『ピューマの夢』1
第六話「ピューマの夢」
季節は秋。10月である。
ここはチャオの森。
人に捨てられたりしてくる、チャオの国でもあった。
そのチャオの森は、チャオが作った街、平原、火山など人間にとっても広い森であった。
そのチャオの森の『チャオティックルーイン』という街の北の森の奥に、一つの大きな屋敷があった。
人間が住めるような広さの屋敷で、庭も相当広い。
その屋敷には、屋敷の持ち主であり、お嬢様であるHFF型の『フィル』。
チャオでありながらメイド服をきているメイドのNNN型の『メルト』。
屋敷の住民ではないが、遊びに来るツッコミをすることが多いHSS型の『ジェイド』。
屋敷の庭の管理をしているHNN型の『ピューマ』。
屋敷の地下にある図書室で幻闘術というものを研究しているDSS型の『ジェネリクト』。
屋敷の住民ではないが、遊びに来る瓢箪を持ち、いつも酔っ払っているNPP型の『ヴァン』。
そんなチャオがいる屋敷の話である。
ピューマ「ラーラーラーラーラーララララー♪」
屋敷の外にあるとても広い庭で、庭師ピューマは花に水をあげていた。
秋になると、春よりも花が少なくなっていた。それが自然の流れなのだろう。
その隣でジェイドはピューマが水やりをしているのを見ていた。
ジェイド「・・・・・。」
今日もピューマさんは楽しそうだな・・・。
そのジェイドのところに、屋敷のお嬢様のフィルと、メイドのメルトがやってきた。
ジェイド「あ、フィル。」
フィル「何してるのあんた。」
いつも通りからんできた。
ジェイド「いや、暇だからピューマさんを見ていただけだ。」
フィル「変態。」
ジェイド「何がだ。」
フィル「覗き。」
こいつはいつもこんなことを言ってくる。
もう慣れてきたが・・・。
ジェイド「お前こそ何をしているんだよ?」
フィル「散歩。暇だからね。」
庭は散歩できるくらい広い。
この屋敷には、人間が住めるほど大きい屋敷のため、庭もそれなりに広いのである。
ジェイド「お前は気楽そうでいいな。」
フィル「あんたもね。」
ジェイド「・・・反論できないな。」
俺も屋敷に遊びにきているため、そんなこといわれると反論なんてできっこないのである。
ジェイド「・・・なぁ、メルトさん。」
メルト「なんでしょうか?」
ジェイド「ピューマさんって、なんでこの屋敷にきたのですか?突然住み始めたのですか?」
フィル「あー。それは本人に聞いてみたら?彼女も多分話すでしょうし。」
隣で聞いていたフィルがそう口出しをした。
ジェイド「そうなのか?」
メルト「多分話してくれるとは思いますよ。本人の方が話は分かりやすいでしょう。」
フィル「それじゃ、私たちは行くわよメルト。」
メルト「はい、お嬢様。」
そういうと、フィルとメルトさんは散歩の続きをしに、行ってしまった。
本人に聞くのか・・・・・。
ジェイドはしばらく戸惑っていたが、すぐに聞くことにした。
ジェイド「ピューマさん。」
ピューマ「はーい?」
水撒きをしていたピューマさんが、緩い声でこっちに振り向いた。
ジェイド「ピューマさんって・・・なんでこの屋敷に住むことになったのですか?普通じゃありなそうなんですが・・・。」
そう俺は聞くと、ピューマさんは考え始めた。
やっぱり聞いては駄目だったのだろうか・・・。
そう思っていたら、ピューマさんのポヨが!になって俺に向かってこう言った。
ピューマ「あぁ!私が屋敷にきたことですか!いいですよー教えますー。」
ただ、内容を理解するのが遅かっただけだった。
そして、ピューマさんは過去の事を話し始めた・・・。