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アイリス「・・・・・・あれ?みんな、どうしたの?」
いつの間にか、ゼードもリサナも、ウォーターも、眠ってしまったようです。
すぅ・・・と3人は静かに寝息を立てていました。
アイリス「あれ・・・寝ちゃったの?」
くすっ、と笑い、アイリスは空を見上げました。
まだ雨は止む気配もなく、遙か高みから、いくつも雫を零しています。
アイラ「あれ・・・歌が終わった・・・」
アイリス達のいる場所へ飛びながら、アイラは歌が途切れたことに気づきました。
ですが、今はそんなことに思考を巡らせている時ではありません。
アイラ「とにかく、早く戻らないと!」
雨の中を待っていてくれる、皆のところへ、あと少しです。
アイリス「・・・意外とゼードさんもリサナさんも寝顔は可愛いんだ・・・・・・」
先の話からして、あまり怒らせない方がいいかと緊張していたのですが、そんなに気を張らなくてもよさそうでした。
リサナ「・・・ん、ふあぁ・・・・・・ん?」
いつの間にか寝てしまったので、いまいち状況が掴めません。
リサナは、それらを理解するのに数秒かかりました。
リサナ「あぁ・・・いつの間に」
アイリス「あっ、おはようございます」
リサナ「おはようって・・・今、朝じゃないでしょ」
冷静な突っ込みをされて、アイリスは苦笑気味に答えました。
アイリス「え、あー・・・すみません」
あはは、と笑うアイリスの声が聞こえたのか、ゼードとウォーターも目を覚ましました。
ゼード「ふ、あ・・・ん~~・・・・・・あれ、寝てた?」
ウォーター「・・・ん?んぅー・・・」
んんー、と2人とも大きく伸びをしています。
アイリス「あ、起きましたか?二人とも」
ゼード「んー・・・多分」
ウォーター「・・・あれ、いつの間に」
歌を聴いていたところまでは覚えていました。しかし、その先が思い出せません。
恐らく、途中で寝てしまったのでしょう。
うーん、とそんなことを考えたのではなく思った後、ふとあることに気がつきました。
ゼード「あれ、アイラはまだなのか?」
アイリス「・・・来てないと思いますけど」
寝ていた時間が短いのか、彼女が来るのが遅いのか。
本当のところ、ゼード達が寝ていたのはほんの少しの時間でしたが、そんなことを本人が知るはずもありません。
アイリスも、歌っていた時間がどれくらいだったかは全く覚えていませんでした。
リサナ「大丈夫・・・だよね?」